あいおい損害保険は、主力商品である自動車保険の契約者に対して、火災保険や生命保険を競合他社から自社に乗り換えさせる戦略を打ち出した。自動車保険の解約を防ぐとともに、新規契約による収益増で年間で60億円の増収を狙う。

 自動車保険は、あいおい損保の全収入保険料の約6割を占める。競争が激化するなかで、この解約を防ぐことは同社にとって最大の課題だ。そこで、契約者に対して他の保険商品を売り込んで囲い込みを狙う。ある調査から、自動車保険単品の契約者は年間約10%が他社への乗り換えなどで脱落。2種類契約している場合はこれが約4%に、3種類では約1%まで下がることが分かったからだ。

 ただし、新規の保険商品を売り込むことは容易ではない。火災保険などは、すでに競合他社と契約している可能性が高い。そこで、あいおい損保は2003年1月から、他社の保険が満期になったタイミングで自社商品に切り替えられる新商品を販売する。

 この戦略を支援するために、契約管理システムを改良。他社の契約が残っている期間でも、契約手続きだけを先に済ませて、システムに登録できるようにした。既存契約が満期の段階で、あいおい損保の契約が自動的に開始する仕組みである。さらに、保険料を自動車保険の指定口座から引き落とす仕組みも備える。顧客は既存契約の解約手続きをしなくて済む。

相馬 隆宏 souma@nikkeibp.co.jp