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松下電器におけるナレッジ・マネジメントの取り組み
 松下電器産業は、グループ企業の社員を含めた情報共有システムを構築した。社員の能力を検索できる「Know Whoサーチ」と、新商品のアイデアを提案する「わいわいプラザ」を主要子会社を含めて全社展開した。いずれも、イントラネットを通して利用できるシステムだ。

 これらのシステムによって、他部門に質問をしたり、新商品を提案する、あるいはプロジェクトの候補者を探すといったことが実現できる。10万人の社員が、組織の壁を超えて知識やノウハウを共有することが狙いだ。

 松下電器グループは1月、大規模な組織再編を実施した。本社の事業部や子会社で重複していた領域を整理し、14の事業分野ごとに社内分社や子会社として再編した。このため、社員がどういった能力や知識を持っているのかが把握しにくくなっていた。新システムは、この再編に対応した情報基盤の1つに位置付けられる。

組織を超えて人材を検索

 「Know Whoサーチ」は、すでに昨年9月から本社の管理職に限定して利用を開始しているシステム。2000万円を投じて開発した。

 登録している情報は、全社員が毎年4月に提出する「キャリアUPプラン」と、技術者が提出する「テクノキャリア調査」の情報を基にしている。前者は、自分が昨年担当した業務内容や達成度、語学力などのスキルを聞くもので、後者は技術的な経歴を聞くもの。この2種類の情報のうち、社員自身が公開を許可した項目がKnow Whoサーチに登録される。

 現在は、利用者を部長などの管理職2700人に限定しているが、今年度中に課長以上の1万1000人に広げる。将来は全社員に公開する計画だ。登録する情報も、現在は3万人だが、2004年度までに10万人に広げる。

他部署の新商品を提案

 一方の「わいわいプラザ」は、10万人の社員が新商品の企画を議論するための電子掲示板。(1)社員が部署に関係なく新商品を提案したり、自分が欲しい商品はこんなものだといった意見を書き込む掲示板と、(2)商品企画担当者が社員の意見を聞く掲示板――の2種類がある。

 商品企画担当者の掲示板には、アンケート機能が付いており、一般社員の意見を分析できる。例えば、「DVDレコーダーにパソコンと接続できる機能を取り付けるとしたら、いくらまでなら出せるか」といったことを聞き、仮説検証に役立てることも可能だ。利用者が10万人と膨大なだけに、一般の消費者アンケートと同様のことを低コストで、しかも迅速に実施できる。

西 雄大tnishi@nikkeibp.co.jp