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インターネット技術を使ったテレビ会議の小売業における利用例[表をクリックすると拡大表示]
 家電量販大手のエディオン(持株会社、傘下にデオデオ=本社広島市=と、エイデン=同名古屋市=)は5月から、商品企画で提携するサンキュー(本社福井市)、上新電機、デンコードー、ミドリ電化(同兵庫県尼崎市)の計5社(エディオングループ)間のやり取りに、インターネットを使った遠隔(テレビ)会議を採用する。

 5社の拠点は、宮城県から広島県までの広い範囲に分散している。会議1回につき交通費や移動時の人件費などを5社合計で40万円程度節約でき、会議費用は従来の約1割で済む。

 5社は、グループ専用家電ブランドの商品企画で連携している。提携の根幹を成す月3回程度の商品企画会議のうち、月1回程度を遠隔会議として開く。

 これまで、担当者はテレビや調理器具などの分野ごとに十数人が1カ所に集まっていた。このうち、発売3~4カ月前に商品がほぼ固まってから、発注数量や売価を決めるといった会議をネットで開く。動画と音声をやり取りでき、文書も画面上で共有できる。

 実は、エディオン社内では、専用の機材と回線を使う別のテレビ会議システムを以前から導入していた。しかし、「画質はいいが、機材を会議室から動かせないのが問題だった。2拠点の双方で機材がある会議室を手配し、さらに回線も予約するといった事前準備に手間がかかった」(IT企画部の板坂尚明氏)という。

 5社間のやり取りではさらに使いにくくなるため、NTTブロードバンドイニシアティブ(本社東京)の「BROBA」を新たに採用した。パソコンとネット接続環境があればどこでも使える遠隔会議サービスで、初期投資はカメラなどを含め1人当たり1万円程度。利用料も会議1回当たり1万円前後と安い。「現状の通信環境では音質は携帯電話並み」(板坂氏)だが、試験運用では特に問題は生じていないという。

遠隔会議に対する考え方に差

 同業他社では、コジマも1月に約250の全店舗をつないで同時に会議ができるインターネット会議システムを導入。店長会議などに活用している。

 一方、全179店の店長が毎週本部に集まる店長会議で有名なイトーヨーカ堂は、「顔を合わせてのコミュニケーションを重視しており、遠隔会議を行う考えはない」(広報室)との見解だ。

 エディオンでも、「商品企画の初期段階では、商品の実物を見る必要があり、メーカーとの丁々発止のやり取りもあるので、ネットでは代えにくい」(板坂氏)という。とはいえ、手軽に使えるようになった遠隔会議を生かせる場面は少なくなさそうだ。

清嶋直樹 nkiyoshi@nikkeibp.co.jp