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業務改革で年間200億円以上のコストを削減
 三共は4月、ERP(統合業務)システムを稼働させた。人事データや経理データを一元管理できるほか、商品の需要予測を算出することが可能になる。新システムの導入によって、人事関連や経理関連といった間接業務を効率化するとともに在庫を圧縮。年間200億円以上のコスト削減を狙う。

 同社は2001年7月に業務改革本部を設立し、取り組みを進めている。ERPシステム構築を含むIT(情報技術)投資額は130億円になる見込み。

 今回の業務改革の背景には、売上高が横ばいの場合でも利益を確保できる体制を確立する狙いがある。同社の主力商品である高脂血症治療剤「メバロチン」の国内特許が昨年10月に切れており、年内に他社が競合商品を発売すると見られている。

 このため、新たな主力商品の開発や営業の強化を進める一方で、業務における無駄なコストを削減して、売上高が伸び悩んだ場合でも増益を達成できる体制を作ろうというのだ。これによって、2011年3月期までに「20%以上の売上高営業利益率達成」という長期目標を実現する。

生産計画と調達計画を自動作成

 4月から開始した取り組みは2つある。1つは、調達計画と生産計画の見直しによる過剰生産および過剰調達の防止。もう1つは、人事業務や経理業務の効率化である。

 調達・生産計画の改革において柱となるのが、新システムの需要予測機能だ。新システムは、過去数年間の販売実績を基に10日分の調達計画と生産計画を作成する機能を備える。

 これまでは調達計画と生産計画を人手で作成していたため、社員の負担が大きかった。これに加えて、勘と経験を基に作成していたため、商品の過剰生産や材料の過剰調達の原因になっていた。

 需要予測の精度向上によって、2005年3月までに商品や材料の在庫を半減できる見込みである。

 新システムには、独SAPのERPパッケージのR/3を採用。開発作業は、アクセンチュアが担当した。システムの内容を決める際は、投資額を圧縮するため、機能の追加を最小限に抑えることを心がけた。

 人事業務や経理業務の効率化は、今年4月に設置した事務センターが一括処理する体制によって実現する。これまで、支店や工場が個別に人事業務や経理業務の担当者を置いていたが、今後は事務センターが全拠点の業務を担当する方式に切り替える。これによって、人事・会計業務に必要な人員を約6割削減する。

長谷川 博 hhasegaw@nikkeibp.co.jp