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新システム「IT-FRENS & TRACE」を使って、コンテナをトラックから降ろして貨車に載せるまでの流れ
 日本貨物鉄道(JR貨物)は来年1月、貨物駅構内のコンテナの動きを無線ICタグとGPS(全地球測位システム)で管理するシステムを全コンテナ取り扱い駅(140駅)に導入する。今年1月から、札幌などの貨物駅で実証実験を進めている。

 新システムの導入により、駅で荷役などにかかる作業を1列車当たり3時間程度削減できる。「列車の運行が効率化されているのに比べて、両端の駅は人手に頼る部分が多かった」(IT改革推進室の花岡俊樹室長代理)。合理化によって、トラック輸送などに対抗することを狙う。投資額は40億円以上とみられる。

 無線ICタグで荷物の流れを管理する考え方は輸送業界では一般的で、JR貨物でも、1999年から約8万個の全コンテナにICタグを取り付けている。新システムの特徴は、GPSを併用し駅構内でのコンテナの動きも管理対象にした点。こうしたシステムは世界的にも類を見ないという。

リフトにGPSを搭載

 新システムでは、コンテナに加え、これを貨物駅まで運ぶトラックにもICタグを取り付ける。さらに、1駅10台程度あるフォークリフトに、ICタグ読み取り機を設置。これにより、リフトでどのトラックからどのコンテナを降ろしたかを自動認識できる。

 リフトには、誤差±20cmの精度で位置を特定できるGPS装置も搭載。コンテナを留め置き用のホームに運んで降ろすと、その位置情報が駅のサーバーに無線で送信される。

 サーバーでは、どの列車に何を載せるかを決定し、作業指示をリフトのパソコンに無線で送る。列車発車前にコンテナを貨車に載せる作業では、リフトの画面上で、コンテナがどこに置いてあるかが一目で分かる。さらに貨車にもICタグが付いており、指示通りに積載したかどうかを確認できる。

 従来は、紙の「荷票」に従って人手で作業する部分が多かった。加えて、「各駅の裁量が大きく、手続きなしで勝手にコンテナを列車に載せるといったことも一部であった。システム化に当たり、こうした問題を整理するのに苦労した」(花岡室長代理)という。

清嶋直樹 nkiyoshi@nikkeibp.co.jp