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「経営トップのコミットメントと専任組織の設置がカギだ」と話すニハット・アーカン氏
 世界の大手小売業やメーカーなどが参加するe-マーケットプレイス「WWRE(ワールドワイド・リテール・エクスチェンジ)」が勢力を拡大している。

 今年5月に、関西の中堅総合スーパーであるイズミヤが加わり、参加企業数は合計で64社になった。日本企業では、イオン、西武百貨店に次ぐ3社目。「今年度中に世界であと7社の参加を見込む」と、WWREアジアパシフィックのリージョナルダイレクター、ニハット・アーカン氏は話す。

 WWREの機能は、逆オークション方式をはじめとする電子調達と、CPFR(需要予測と在庫補充のための共同事業)を含むSCM(サプライチェーン・マネジメント)の2つが柱。

 イズミヤは今年7月から、WWREで商品や資材の調達を開始する。水産加工品や衣料品、店頭資材の3分野を対象に、初年度で合わせて約2億円の原価低減効果を見込む。


呉越同舟で原価を引き下げ

 WWREは、世界最大の小売業である米ウォルマート・ストアーズに対抗すべく、世界の大手小売業らが集まったe-マーケットプレイスである。64社合計の売上高は9000億ドルを超え、ウォルマートの約2445億ドル(2003年1月期)をはるかにしのぐ。

 参加企業は自社の売上高に応じた年会費を支払うが、「平均で年会費の7~8倍を回収している」と、ニハット・アーカン氏は説明する。

 約3年間の実績として、累計で約9億ドルのコストを削減した。逆オークション方式の調達なら、「1社単独で実施する場合に平均13%、数社が共同で実施すれば平均20%程度の削減が可能になる」(服部太郎ジェネラルマネジャー)という。

 一致団結して原価を引き下げることで、強い価格競争力を誇るウォルマートに挑むWWRE陣営。だが、いくつかの弱点も透けて見える。

 まず、競合同士が相乗りする「呉越同舟」の状態では、販売用の商品を仕入れるのは難しい面がある。他社と同じ品ぞろえでは差異化できないからだ。実際、これまで共同調達の対象になったのは、コピー用紙など間接材が中心である。

 SCM関連の機能は昨年半ばから本格的な利用が始まった段階で、「成果を上げるには1年半~2年はかかる」(ニハット氏)という点も課題に挙がる。

 ウォルマートは「リテイルリンク」と呼ぶ情報システムを活用し、メーカーと共同で在庫の削減や原価の低減に長年取り組み成功を収めてきた。ウォルマートに追いつくにはまだ時間が必要だろう。

サービス名 主な参加企業 設立
WWRE
(ワールドワイド・
リテール・エクスチェンジ)
イオン、西武百貨店、イズミヤ、蘭ロイヤル・アホールド、米ターゲット、英テスコなど64社 2000年3月
GNX
(グローバルネット
エクスチェンジ)
ダイエー、仏カルフール、米クローガー、独メトロ、英セインズベリー、米シアーズ・ローバックなど33社 2000年2月
大手小売業が参加するe-マーケットプレイスの例

相馬 隆宏 souma@nikkeibp.co.jp