店舗の販売数やセンターの在庫数を開示
 ファミリーマートは今年9月にも、食品や日用品メーカー約30社に、店舗の販売情報や、物流センターの在庫数をインターネットで開示する。メーカーに自社商品の販売動向を素早く提供して、在庫や返品を削減する。店頭に並べる商品の鮮度向上を狙う。物流網の改革も進めており、これを合わせると、一連の業務改革を開始する前の2000年に比べて、年間40億円のコスト削減が可能だという。

 ファミリーマートがメーカーに1日1回提供する情報は、(1)同社の店舗数とそのメーカーの商品を扱う店舗数、(2)全国21カ所にある物流センターが管轄する店舗への該当商品の総出荷数、(3)各センターの在庫数、(4)管轄する店舗の総販売数と1店舗当たりの平均販売数。売れ行きが落ちたため、販売を中止するカット商品についても、メーカーに速やかに通知する。

9カ月間、メーカー6社と実証実験

 ファミリーマートは昨年12月から、キリンビバレッジや日清食品、日本コカ・コーラ(本社東京)など6社と実証実験を続けてきた。メーカーはファミリーマートからタイムリーに店頭の販売情報を受け取り、そこからコンビニエンスストア業界全体の傾向を読み取って、商品の生産計画を立案。余計な在庫を抱えないようにする。

 ファミリーマートは販売情報を開示すると、メーカーが新商品のテスト販売を同店で優先的に実施したり、品薄の商品を他店よりも有利に納品してくれることを期待する。メーカーとの関係が緊密になれば、「仕入れ条件もよくなり、商品を共同開発できる」(DCM推進室の長野泰二マネジャー)。

 ただし、ファミリーマートは今後、メーカーから何らかの料金を徴収すると見られる。販売情報を提供するため、数億円規模のシステム投資をしたからだ。そうなると、参加するメーカーが限られてしまう恐れが出てくる。

卸に発注推奨値を提示する

 ファミリーマートは、物流センターの運営を委託している卸2社の在庫削減にも積極的にかかわる。卸がメーカーに出す日々の発注の推奨値をファミリーマートが提示して、センター在庫を削減する。小売りが卸に対して、発注の推奨値を提示するのは珍しい。

 卸からは毎日、センターの在庫数と商品の入出荷数を通知してもらい、そこに店頭のPOS(販売時点情報管理)データを加えて、卸がメーカーに発注すべき数量をはじき出す。

 従来は卸が欠品を恐れ、メーカーに多めに発注して在庫が積み上がったり、センターによっては発注精度が悪いところがあった。在庫はメーカーに返すので、メーカーはその分のコストを次の出荷に上乗せしてくる。これではいつまでも仕入れ値が下がらない。

 そこでファミリーマートが推奨値を計算して在庫を削減する。卸との実験では、センター在庫を従来より40%削減できる結果が出たという。

川又 英紀 hkawamata@nikkeibp.co.jp