PR

SCMシステムで在庫を4割削減
 ハウス食品は来春、新しいSCM(サプライチェーン・マネジメント)システムを稼働させる。商品の需要予測から販売計画、生産計画、資材調達計画の立案までを連動させて、商品在庫を現在の1カ月分から4割減の0.6カ月分に圧縮する。同時に、賞味期限切れなどで出荷できなくなった不良在庫の廃棄費用も半減させる。

 消費の低迷で商品の販促費が増えるなか、ハウス食品は在庫を減らして少しでもコストを削減することで、利益の向上を狙う。

 在庫を減らす一方で、欠品も減らす。ハウス食品はこれまで、新商品やリニューアルした商品の欠品が目立っていた。ある食品卸も「ハウス食品は欠品率が高い」と指摘している。

 新商品は需要予測が難しいが、出荷データを確実に追跡していくことで予測精度が上がると見ている。現在1~2%の欠品率を1ポイント程度引き下げるのが目標だ。

3年分の出荷データで予測

 新システムでは、過去3年分の出荷データに基づいて需要を予測し、週次で販売計画や生産計画などを見直していく。これまでは月末の在庫を見ながら月次で計画を変更していたため、市場の変化に対応しにくかった。毎月半ばごろに在庫が膨らんでしまう傾向があったという。こうした在庫のピークを小さくしていく。

 これまで営業や生産などの各部門は個別にシステムを構築していたため、一貫性がなかった。今後は同じ情報を見ながらすべての部門が動くように仕事のやり方を変えていく。早ければ今年11~12月にも、新システムを使った実証実験を開始する計画だ。

 すでに稼働している特売管理システムなども新システムと連動させ、需要の予測精度を向上させていく。

 今回のプロジェクトを推進するのは、今年7月に新設されたSCM部。早川哲志・マーケティング本部SCM部長は業務改革を進めるために、「パッケージソフトに合わせて、当社のSCM全体を変えていく」と言う。

 需要予測や在庫管理、生産計画の立案などは、マニュジスティックス・ジャパン(本社東京)のパッケージソフト「NetWORKS Demand」と「同Fulfillment」を利用する。

5億円の投資を1年で回収

 これらのソフトは国内の食品メーカーで導入実績が多く、ハウス食品も複数の先行企業を見学して導入を決めた。システム導入のコンサルティングは、新日鉄ソリューションズが担当する。

 システム投資額はコンサルティング費用を含めて約5億円。在庫削減の効果により、「投資は1年で回収できると見ている」(早川部長)。

 ハウス食品は数種類の商品の出荷データを使って在庫削減の理論値を計算してみた。その結果、在庫を4割削減できる見通しが立ったので新システムの導入を決断した。

川又 英紀 hkawamata@nikkeibp.co.jp