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新しい支援システムの仕組み
 アサヒビールは6月、量販店など店頭の動きを迅速に把握するための新体制を導入した。営業支援専門の子会社に新システムを構築。営業支援の専任担当者が、成績優秀な担当者と同じ行動をとれる仕組みを作った。

パート社員を即戦力に

 今年9月に酒類販売免許の規制が緩和されることを控えて、酒類メーカー各社にとって量販店向け営業体制の強化が急務。アサヒビールは、市場の動きを迅速に把握することが不可欠だと判断し、営業支援専門の子会社であるスマイルサポート(本社東京)に新システムを導入した。

 このシステムは、スマイルサポートのパート社員1300人に配布するPDA(携帯情報端末)と本部のサーバーで構成。パート社員である営業支援担当者が、PDAの指示通りに情報を入力すると、結果的に優秀な担当者と同じような行動になるという点が大きな特徴だ。業務プロセスの見直しなどは、IBMビジネスコンサルティング(本社東京)が担当した。

 具体的には、PDA上に「入店時に誰と挨拶したか」「倉庫の在庫数確認」「売り場拡大」など営業支援担当者が活動すべき項目を順に表示し、情報の入力を促す。事前に優秀な担当者の行動特性を分析し、重要な活動項目を把握。入力項目として設定した。入力した情報は、帰宅後にモデムを介して本部のサーバーへ送信する。

 スマイルサポートの営業支援担当者は、スーパーなどの量販店でアサヒビールの営業担当者を補完する役目を担う。主な業務は、量販店における注文の促進や売り場の拡大、他社の動きなど店頭で気づいた情報を収集することだ。1日に5~6店舗訪問する。受注業務はしない。

 これまでは、店頭で集めた情報などを書いた活動報告書を週に1度ファクシミリで送信していた。自由記入で内容は各担当者に任せていた。「自由記入では、どの程度やっているかが漫然としか分からなかった」(スマイルサポートの木名瀬博・取締役企画部長)。回覧後、改善策を返信するまでに2週間かかることもあった。

店頭の情報を翌日には全社で共有

 営業支援担当者から収集した情報は、アサヒビールの営業担当者に対する戦略立案に活用する。成功事例や他社の動きなど有用な情報を、翌日には営業情報のポータル・サイト「営業情報玉手箱」から参照できる。

 例えば、「他社製品が欠品しているので同様の商品を薦めたら発注につながった」など、他地域でも実践できる事例を共有する。「これまでは紙で運用していたため、他地域や商品企画まで現場の声が届かなかった」(木名瀬取締役)という。

西 雄大 tnishi@nikkeibp.co.jp