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いつでもどこでもインターネットに接続できる環境のこと。ユビキタスとはラテン語で「遍在する(いたるところに同時に存在する)」という意味。パソコンに加えて、携帯電話や家電、カーナビ、ゲーム機などがネット接続機能を備えるようになり、ネット上のサービスがいついかなる状況でも利用できる環境を指す。

 身の回りの様々な機器がインターネットへの接続機能を備えることによって、どのような場所であろうとネットワーク上のサービスを利用できる環境が、ユビキタス・ネットワークです。具体的には、家電やカーナビゲーションシステム、携帯情報端末などの機器がネット接続機能を備えた環境です。

◆効果
機器ごとに最適化された情報を容易に入手

 家電のように従来、ネットワークから切り離されて単独で使用していた機器がネットワーク接続機能を備える意味は小さくありません。まず第一のメリットは、なんらかの情報が必要になったときに、すぐに目の前の機器からインターネットに接続して情報を得られることです。ただし、このような環境は、すでにiモードをはじめとする携帯電話のネット接続サービスを使えば実際に体験できます。

 ユビキタス・ネットワークの真のメリットは、ネットに接続する機器ごとにカスタマイズされたサービスが容易に利用できることです。こうした光景の一端は、すでに製品化が始まったカーナビのネット接続サービスで実現されています。現在、カーナビの上位機種では、携帯電話と連携したリアルタイムの渋滞情報や行楽地の情報が入手できます。ボタン1つでこのような情報が入手可能です。

 このほか、近い将来には電子レンジのような調理器具で料理のレシピをダウンロードしたり、CDプレーヤーで演奏する楽曲のアーチスト情報を表示するといったサービスも簡単な操作で利用できるようになるでしょう。

◆課題
標準化とコンテンツの充実が必要

 技術的にはユビキタス・ネットワークの実現も難しくはありません。しかし、本当に有益な環境を実現するには2つの壁が立ちふさがります。

 1つは、メーカーや機器の種別を超えた標準化が必要なことです。通信手順や情報の形式の標準化が進まない限りは、それぞれのメーカーが独自でサービスを提供することになります。これでは、ハードやコンテンツの開発のために投じたコストが機器の価格に転嫁されることになり、普及を妨げます。どこのメーカーの機器でも、ネットワークのインタフェースに接続した時点から豊富なサービスが受けられるといった状況にならなければ、普及は困難です。

 もう1つの壁は、コンテンツの充実が進むのかという問題です。どんな機器でも接続できるというオープンな環境が実現した場合、だれもコンテンツの充実に責任を負いません。メーカーにとっても、自社だけのメリットにならないので、積極的にコンテンツの制作にコストを投じるとは考えにくいところです。一般消費者が中心のコミュニティが無償で作成するコンテンツが増えてこなければ、ユビキタス・ネットワークの実現は難しいでしょう。

吉川 和宏 kyoshika@nikkeibp.co.jp