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主に中堅・中小企業の経営者を支援しながら、情報戦略の立案から、情報システムの導入や活用までをこなせる人材を認定する公的資格。経済産業省の主導で、2001年度から認定制度が始まる。資格は1年ごとの更新で、単なる筆記試験だけではなく、実務経験の長さや内容によって認定するのが特徴である。

 「IT(情報技術)は難しくて、よく分からない」、「ITを利用して業務を効率化したいが、社内に推進役に適した人材がいない」——。このような悩みを抱えている中小・中堅企業の経営者は、多いはずです。ITを活用する意欲はあるものの、なかなか導入が進まないという企業を支援する目的でスタートするのが、「ITコーディネータ」と呼ばれる公的資格制度です。

 ITコーディネータは、企業の経営戦略とIT戦略をともに理解し、経営者の「指南役」になる人材。情報戦略の立案から情報システムの導入・運用に至るまで、アドバイスしたり実際に実務を担当します。2001年度から特定非営利団体(NPO)であるITコーディネータ協会による資格認定が始まります。

◆効果
中小企業経営者の「指南役」

 ITコーディネータの資格取得者としては、中小企業診断士や税理士、コンピュータメーカーや情報サービス会社の社員・OBなどが想定されています。

 資格を得るにはまず、ITコーディネータ協会が主催する研修を受講し、試験に合格して「ITコーディネータ補」になる必要があります。そのうえで実務を経験することによって、ITコーディネータとして認められます。

 その際、助言・指導や実作業を伴う支援といった実務経験に応じて一定のポイントが付与され、100ポイント以上獲得すると初めて認定される仕組みです。資格は1年ごとの更新で、毎年100ポイント以上を維持しないと、取り消されてしまいます。常に実務をこなし、どん欲に知識を吸収している人材だけを、ITコーディネータとして認めようというわけです。

 企業がITコーディネータに仕事を依頼するには、中小企業総合事業団や各都道府県の中小企業支援センターからあっせんや紹介を受けます。ITコーディネータを活用して情報システムを構築すれば、政府系中小企業金融機関から優遇金利による貸し付けを受けられることもあります。

 この新しい資格の創設は、経済産業省が推進している中小企業の情報化を支援する「ITソリューションスクウエアプロジェクト」の一環です。

◆課題
変化の速さに追いつけるか

 ITは猛スピードで進化しています。ITコーディネータがこの変化に、果たして追いついていけるのかが懸念されます。あるいは、「コンピュータメーカーなどの出身者が、自社製品やサービスを優先的に紹介するのでは」といった点も疑問として残ります。

 やはりITコーディネータ任せにするのではなく、経営者が適切な助言を受けながら、主体的にIT活用を推進していく姿勢が欠かせないでしょう。

神保重紀 sjin@nikkeibp.co.jp