企業が顧客とのコミュニケーションの一元的な窓口として設けている部門。電話応対業務を中心にしたコールセンターから一歩進んで、ウェブや電子メール、チャットなども含めた顧客との様々なコンタクト(接触)を統合的に扱う機能を持たせるという意味で、こう呼ぶ企業が増えている。

 10年以上前、金融機関などに「テレマーケティング・センター」という部署がありました。定期預金の満期日やボーナス支給日が近い顧客のリストなどを基に電話をかけ、新商品などを薦めていました。「マーケティング」とはいえ、実態は一方通行の「押し付け」と紙一重でした。

 時代は変わって、CTI(コンピュータ・電話統合)技術を利用した「コールセンター」が多数構築されるようになってきました。コールセンターの特徴は一方的な「発信」だけでなく、顧客からかかってくる「インバウンド」(受信)の電話に対して、顧客データベースに基づいて一貫性のある顧客対応ができる点です。顧客とのコミュニケーションはかなり双方向的になり、要望への迅速な対応、顧客ニーズに即した提案が可能になりました。

 そして現在、こうしたセンターの名称を「コンタクト・センター」に変えるところが増え始めています。企業と顧客との「接点」の場として、顧客とのあらゆる「コンタクト」(接触)を、チャネルにかかわりなく扱えるようにしようという考え方からです。

◆効果
顧客のコンタクト手段が拡大

 企業に対する顧客からのコンタクトの手段は急速に変わり続けています。例えば、わずかこの2年ほどでiモードなど携帯メールが爆発的に普及しました。インターネットの家庭への普及率も4割に達しています。

 顧客は何か目的があればその時、自分にとって最も手近で便利なコンタクト・チャネルを選びます。企業側がチャネルを限定することはできません。そんなことをしていれば、簡単に競合他社に乗り換えられてしまうでしょう。

 コンタクト・センターでは、顧客はチャネルだけでなく、コンタクトの形態も選択できます。例えば、オペレータの助けを希望しない人はウェブ画面上であれこれと情報を探し、自分自身で問題解決する「セルフサービス」を選ぶこともできます。もちろんその途中で有人による助けが必要になれば、いつでもコールバックやチャットなどで直接オペレータと会話することができます。

◆課題
運用管理が一層困難に

 こうしたコンタクト・センター実現のうえで、課題になってくるのは運用体制です。ウェブや電子メールを扱うとなると、いずれ必然的に24時間サービス体制になります。物理的なセンター設備に多人数のオペレータを一定時間集めて管理する、といった体制が困難になってきます。

 これを解決するため、今後はアウトソーシングがますます進むはずです。例えばコンタクト・センター受託大手のNTTソルコ(本社東京)はこれを見越して、インターネット対応のコンタクト・センター設備を相次ぎ増強するなど力を入れています。

秋山知子 takiyama@nikkeibp.co.jp