ホームページにおいて、利用者ごとにコンテンツを変える仕組み。年齢や性別,趣味といった属性に対応してコンテンツを生成する仕組みである。同じアドレスのホームページでも、利用者によって内容が異なることが特徴。ホームページを参照した履歴から利用者の属性を判断し、「お薦め」のコンテンツを生成するツールもある。

 ホームページを見ているときに、皆さんはどのくらいの頻度でバナー広告をクリックしていますか。特別な工夫をしていなければ、バナー広告を見る人は1%未満だと言われています。しかし、もしもバナー広告が自分の興味のある分野のものばかりだったら、どうでしょう。クリック率が飛躍的に高まることは想像に難くありません。

 こうしたことを狙って開発された手法が「パーソナライゼーション」です。同じホームページでも、利用者の趣味や興味に基づいて、コンテンツを変える手法のことです。

◆効果
必要な情報だけを確実に伝達する

 パーソナライゼーションが、その効果を発揮するのはバナー広告だけではありません。ここ数年の間に、パーソナライゼーションを実現する専用ソフトの製品化が進み、社内向けのポータル・サイトや自社製品の購入者向けサイトで、利用者ごとにホームページに表示するコンテンツを変える取り組みが増えています。

 社内ポータルでは、営業担当者がホームページを開いた場合に、まず在庫情報や新製品情報を表示するといった利用方法になります。この仕組みによって、利用者の所属部署や役職に合わせて必要な情報を確実に伝達できます。

 一方、購入者向けサイトでは表示するコンテンツを、購入製品や関連製品だけに絞るような構成にします。余計な情報をなくして顧客の満足度を向上したり、関連製品の購入を期待できます。

 最近では、「レコメンデーション・エンジン」と呼ばれるツールを使って、ホームページ上でワン・トゥー・ワン・マーケティングを実践する企業も増えつつあります。レコメンデーション・エンジンとは、どんな顧客ならばどのような情報が「お薦め」であるかを自動的に判断するツールです。過去に訪れたコンテンツの履歴に基づいて、利用者の興味がある分野を自動的に判断する製品もあります。

◆事例
顧客ごとにお薦め商品を自動選択

 リコーは、法人顧客向けのホームページ「NetRICOH」で、パーソナライゼーションの仕組みを取り入れています。

 顧客がID(識別符号)とパスワードを使って、ホームページにログインすると、リコーの営業担当者の情報や購入製品に関する情報、お薦め商品、顧客ごとに設定した価格の情報などを表示する仕組みです。

 このなかで、お薦め商品を表示する機能は、市販のレコメンデーション・エンジンを利用して開発しています。顧客属性に基づいたお薦め商品を、システムが自動的に選択しているのです。

吉川和宏 kyoshika@nikkeibp.co.jp