インターネットを介してつながっている多数の利用者に、コンテンツ(情報の内容)を効率よく配信できる仕組みを持つネットワークのこと。コンテンツを1カ所のサーバーだけで処理せず、複数のサーバーを連携させることで、多数の利用者に素早く配信できる。動画などの大容量コンテンツの配信に役立つ。

 インターネットの世界では、「画面の切り替えに8秒以上の時間がかかってはいけない」という暗黙のルールがあります。8秒以上待たせてしまうホームページは、利用者が途中で見るのをやめてしまうという傾向があるのです。

 この問題を回避する手立てはいくつかあります。そのなかで低コストで、すぐに利用できるのが「コンテンツ・デリバリー・ネットワーク(CDN)」でしょう。

 CDNは、ウェブ・サイトにあるコンテンツ(情報の内容)を効率よく配信することで、数万人単位の利用者が1カ所のウェブ・サイトに集中しても、1人ひとりが快適に閲覧できるようにする仕組みのことです。特に、動画といったデータ量の大きいコンテンツが増えているブロードバンド(高速大容量)環境下で、CDNは重要な存在になってきました。外資企業を中心に、こうしたサービスを提供する業者が増えつつあります。

◆効果
快適なホームページを構築する

 CDNの最大のメリットは、ホームページの表示速度が向上することです。インターネットには、情報が流れる際のボトルネックがいくつかあります。そのため、コンテンツのデータ量が大きかったり、利用者が1カ所に集中すると、表示速度が極端に遅くなります。

 そのボトルネックに左右されないように、CDNの環境ではコンテンツをあちこちのサーバーに分散させ、混雑時でも安定した速度で配信できる体制を用意します。

 CDNを提供するサービス会社として最も有名なのが、米アカマイ・テクノロジーズです。全世界に1万3500台以上ある専用サーバーを使って、コンテンツを効率よく配信するCDN技術をいち早く開発しました。

 CDN業者に自社コンテンツを預けると、数十台のウェブ・サーバーの導入と同程度に配信速度が向上します。

◆事例
全日空が予約受付サイトを強化

 国内でも、CDNを利用する企業が出てきました。全日本空輸は1月から、アカマイ・テクノロジーズ・ジャパン(本社東京)のサービスを使い、航空券予約を受け付けるウェブ・サイトの処理能力を増強しました。

 従来は、人気の割引商品「超割」をインターネットで申し込もうとする顧客が殺到し、画面の切り替えに30秒ほどかかることもあったといいます。

 事態を重く見た全日空は、この問題を解決するためにCDNを導入。すると、ウェブ・サイトに訪れた人の半数は、8秒程度で画面を切り替えられるようになりました。CDNによって、新たなウェブ・サーバーを購入したり、通信回線を増強するといった巨額の投資を抑えられたのです。

渡辺一正=日経システムプロバイダ