直訳は「従業員インターネット管理」。職場でのホームページ閲覧や電子メール利用などを監視・制限すること。従業員の生産性向上やトラブル回避につながる。

 ウェブ・ブラウザを起動すると、大手ポータルサイトが表示される設定にしている人は多いはず。ここにあるニュースがなかなかのくせものです。「タマちゃんお引越し」といった見出しで、巧みに誘ってくるからです。クリックしたが最後、数分間は仕事の手が止まってしまいます。

 職場でインターネット利用を監視・制限しようというのが、「EIM(従業員インターネット管理)」の考え方です。ニュース程度ならまだしも、ネットのオークションや株取引に熱中して、仕事が手に付かない人もいるでしょう。ネット掲示板に内部情報が書き込まれるかもしれません。職場から勤務時間中に「出会い系サイト」に書き込みをしたことが職場外で広く知られ、問題になったケースもあります。

 このように、職場でのインターネット利用は、生産性の低下や社外とのトラブルなど様々な問題を生む危険性があるのです。

◆効果
生産性向上とリスク回避

 これを防ぐため、ネット利用を自動監視するツールが製品化されています。具体的には、誰がいつどんなホームページを見たかを記録。さらに、「アダルト」や「オークション」といった業務に関係がないページのリストを備えており、接続しようとすると「制限対象になっています」と表示する機能などを持ちます。

 こうしたツールの導入の効果で最も分かりやすいのが、労働時間の短縮です。従業員1000人、平均時給3000円の企業であれば、1日6分の無駄なネット利用が減ることで、週150万円、年間7500万円もの人件費が浮く計算になります。

 ただし、あまり制限しすぎると、「アパレル業界の市場動向を調べたいのに、下着メーカーのホームページに接続できない」といった具合に、業務を妨げてしまいます。厳しい監視は従業員の士気にも影響を与えることでしょう。

 そこで、法に触れるようなページへの接続だけを制限したり、社外とのトラブルに備えて接続履歴だけを記録するといった緩やかな運用をしている企業が多いようです。

◆事例
私的利用が激減

 工業計器大手の山武では、2000年夏からネット利用の監視を始めました。当初、業務に関係のないページへのアクセス回数が全体の約25%を占めていましたが、1年半後にはこれが1%にまで激減しました。

 日本労働研究機構が2002年3月に上場企業を対象に行った調査によれば、ネットの私的利用の防止対策を実施している企業は全体の35.4%。このうち、利用状況をシステムで監視している企業が46.2%と、EIMを実施する企業は珍しくなくなっています。

清嶋直樹 nkiyoshi@nikkeibp.co.jp