異なる分野の知識を持つ営業担当者がチームを結成して、全員で営業活動に取り組むのが「チーム営業」です。社員が単独で実施する営業活動に限界を感じている企業の間で徐々に普及しています。

営業担当者が互いに劣っている能力を補完し合いながら、一緒に活動するチーム営業は昔からあります。ところが最近になって、営業の組織系統を壊し、新しいチーム営業を模索する動きが目立っています。具体的にはチーム全体で収益責任を負ったり、IT(情報技術)を活用して現実の組織を飛び越えたバーチャルなチーム編成に取り組むといったことに複数の企業が挑戦しています。

◆効果
顧客満足度を向上

 チーム営業のメリットは、顧客の要望や質問に短時間で対応しやすくなることです。これにより、顧客満足度の向上が期待できます。

 複数の営業担当者を1つのチームにまとめ、共通の案件を担当させることで、社内における「知」を結集。これによって、顧客の信頼をつかめるため、取引の拡大を実現しやすくなります。グループウエアやデータベース・システムなどの情報システムを利用すれば、メンバー同士が機動的に情報を交換できる体制を構築できます。

 チームを構成するメンバーの選定方法は様々です。異なる商品の知識を持つ営業担当者がチームを結成するケースが目立ちますが、契約までに審査などが必要になる場合は、営業部門以外の社員がメンバーに加わることもあります。

 ただし、チーム営業で成果を上げるためには、いくつかの前提条件があります。最も重要なのは、チーム全体で顧客や市場に対するビジョンとシナリオを共有することです。営業の方向性に対する意識を統一させないと、メンバーの足並みがそろわなくなり、目標を達成できない恐れが高まります。

 このため、自社が顧客に何を提供するべきかを明らかにして、具体的なチームの戦略と目標、各人の行動目標を決定することが不可欠です。個人ではなくチーム全体の営業成績を前提とした評価体制も必要になります。

◆事例
ポータルで情報共有

 住商リースは昨年3月、チーム営業を効果的に実施するための情報化を進めました。営業支援ポータル・システム「SCRIPT」を稼働させて、約300人の営業担当者が、得意先との折衝履歴を商談の段階から記録。チーム営業を進める際の参考にしています。

 チームのメンバーが同水準の情報を共有して、業務のスピードアップを実現。同業他社に先駆けて、新規の契約を獲得できるようにしています。

長谷川 博 hhasegaw@nikkeibp.co.jp