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企業内のデータを統合、リアルタイムに監視して企業全体の業績向上を図るという概念。BI(ビジネス・インテリジェンス)活用の新しい形態として注目されている。

 企業経営者が事業計画を考えるうえで最も関心のある情報がROI(投資対効果)です。経営の現状が今どうなっているのか、投資の結果がどのように業績に貢献しているのかといった最新の情報を知り、次の一手に結び付けたいという要求はますます加速しています。

 企業活動で発生する様々なデータを蓄積し、多次元的に分析して現場の利用者自身が活用することを目的に導入されているのが、BI(ビジネス・インテリジェンス)ツールです。しかしこれまでのBIは、利用部門が必要とする部分を中心に導入が進み、経営者が企業活動全体の最新状況を包括的に把握・分析したいという要求にはなかなか応えられませんでした。そこで米ガートナーが提唱した概念が「CPM(コーポレート・パフォーマンス・マネジメント)」です。類似の概念をEPM(エンタープライズ・パフォーマンス・マネジメント)、あるいはBPM(ビジネス・パフォーマンス・マネジメント)と呼ぶこともあります。

◆効果
企業全体のKPIを常時把握

 CPM(またはEPM、BPM)は、企業活動全体において「戦略策定→各種評価指標の設定→実行状況のモニタリング→分析・レポーティング」というサイクルの最新状況を把握するため、方法論やプロセス、システムを組み合わせたものです。

 経営者がすぐに意思決定できるよう様々なKPI(重要業績指標)をあらかじめ設定し、1つの画面で全体の概要がつかめるようにしたり、設定した範囲を超えると自動的にアラート(警告)を表示するといった機能を提供します。もちろん、利用者自身がドリルダウンして明細データまでさかのぼり、原因究明ができるというBIならではの機能が提供されます。

 PDCA(計画−実行−検証−アクション)の状況が数値やグラフで可視化され、ROIがより把握しやすくなり、マネジメントのスピードが上がる。これがCPMの大きな利点といえます。

◆事例
マスターカードが実践

 CPMは新しい概念なので、本格導入して成果を上げている企業はまだ少数です。ただ、BIの全社導入は大きな効果が期待できると判断して、戦略的に活用を始めた企業はあります。

 米マスターカードインターナショナルは、業務上のパートナーである複数の銀行と共同で試行的に取り組みました。例えば、マーケティング・キャンペーンの実施状況をリアルタイムで検証し、対象顧客のセグメント方法を修正していくことで、顧客からのレスポンス率が1.5倍に向上するなどの成果が出ています。

秋山 知子=日経アドバンテージ編集