旅行代理店が宿泊施設などとの取引に関するデータの書式を標準化した規格。XMLを利用して書式を統一するため、単一のシステムで対応できる。

 「旅の窓口」に代表される宿泊予約サイトなどの台頭によって、消費者が自分で予約を手配するケースが増えました。そのため、ホテルや旅館も自社で予約サイトを立ち上げるなど、旅行代理店を通さずに顧客を獲得する動きが活発となり、旅行代理店にとっては死活問題になっています。

 そこで、ホテルなど商品を供給する企業側の利便性を向上させて、旅行代理店の取り扱い量を維持する対策を打ち始めました。業界団体である日本旅行業協会が中心となり、これまで各旅行会社がバラバラに定義していた電子商取引の書式を統一化する規格を策定したのです。それが「TravelXML」です。

 今年2月にJTBなど大手旅行会社12社が中心となり、第一段階の標準化を完了。今年度中に完成を目指しています。

◆効果
双方が業務を効率化

 第一段階では、3つの業務について標準化しました。(1)海外のホテルの予約、(2)国内旅館やホテルとの在庫照会、予約、(3)パッケージツアーの在庫照会、予約——です。XML(拡張可能なマークアップ言語)を利用して書式を統一するので、ホテルなどではシステムを一本化できます。従来は旅行会社ごとに書式が異なっていたため、客室を提供する宿泊施設は異なったシステムに対応しなければならず、旅行会社ごとに対応する必要があり、個々のシステムへの対応や維持コストがかさんでいました。

 一方、旅行代理店でも業務の効率化が期待できます。現在、電話やファクスによるやり取りが主である他社パッケージ商品の空き情報や海外の宿泊予約業務などを、単一のシステムで管理できるからです。

 なかでも、ハワイのホテルではファクスで1日に200通以上の予約情報が届き、ホテル側で自社の予約システムに入力していることもあり、双方で効率化が期待できます。

◆事例
専任担当者を減らす

 大手旅行代理店各社が、この書式を利用し始めるのは、自社システムの切り替え時になります。まず、今年6月にキースエンタープライズ(大阪市)が新システム稼働を機に対応します。最大手のJTBも2006年度中には、対応予定です。浸透するまでには3年ほどかかるとみられています。宿泊施設では、笹屋ホテル(長野県千曲市)が5月をメドに対応した新システムを稼働予定。予約担当者を減らし、ほかの業務に回すことを狙っています。

 約1500社が加盟する国際観光旅館連盟が、この規格を標準仕様としたため、対応する施設は広がりそうです。旅行代理店や宿泊施設の大半が対応を完了すれば、大きな効果が見込めます。

西 雄大tnishi@nikkeibp.co.jp