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荷主企業が運輸会社などと一体になって、業務の効率化やコスト削減を目的にした物流改革に取り組むこと。運輸会社がそのノウハウを生かし、荷主企業に代わって在庫管理や仕分けといった業務を手がけるケースが多い。そのために荷主企業と運輸会社との間で、必要な情報を素早く共有できる仕組みが不可欠である。

 サービスや金融など一部の業種を除くと、多くの企業が手がける事業には、製品や商品を保管したり移動するといった物流業務が必ずと言っていいほど伴います。例えば製造業では工場で製造した製品を倉庫に蓄え、卸などの取引先に届けます。一方、流通業においても取引先から届く商品を物流拠点で仕分けして、複数の店舗に効率良く配送しています。

 こうした過程において荷主企業は、これまで商品をトラックに積載して目的地に運ぶ業務だけを専門の運輸会社に委託してきました。

 それが最近では、従来なら荷主企業が手がけてきた在庫管理や商品の仕分けといった業務を、運輸会社が代行するケースが増えています。そればかりか在庫や配送計画そのものを運輸会社が主体となって立案することさえあります。

 こうした荷主企業と運輸会社が一体になって物流改革に取り組むことを、3PL(サード・パーティー・ロジスティクス)と呼びます。

◆効果
在庫や物流コストを削減

 3PLの最大の狙いは、在庫やコストの削減を実現することです。

 企業経営においてキャッシュフローが重視されつつあるなかで、在庫削減や物流にかかわるコストを削減することは急務です。しかも限りある経営資源を本業に集中するには、それ以外の業務を大幅に見直さなければなりません。

 そこで運輸会社が持つ物流のノウハウや設備を最大限に生かすことで、物流を改革しようというわけです。

 もちろんそのためには荷主企業と運輸会社との間で受注や製造、販売計画といった様々な情報を共有できる仕組みが必要です。同時に単なる物流業務を外部に委託するといった発想では、大きな成果を上げられません。運輸会社を戦略的なパートナーとしてとらえて抜本的に物流を見直し、顧客サービスの向上などにつなげるといった全社的視点が重要になります。

◆事例
先進的なデルの取り組み

 パソコンの消費者への直接販売で急成長したデルコンピュータは、日本向け商品をマレーシアで製造し、日本への配送を含めた物流業務を米フェデラル・エクスプレスに委託しています。

 消費者の注文に応じて製造する方式ということもありますが、デルがわずか6日分の在庫しか持たずに済むのは3PLが大きく貢献しているのです。

 日本でも例えばイトーヨーカ堂が関東地区を中心に加工食品分野では菱食など食品卸に、日用品分野では花王物流などに商品の仕分けから店舗への配送までを一括委託しているケースがあります。こうした市場の広がりをにらんで運輸会社だけでなく、大手商社も3PLを手がけつつあります。

神保重紀 sjin@nikkeibp.co.jp