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現行インターネットの弱点を補うべく研究が進んでいる、新しいインターネットのこと。動画など容量が大きなデータでも、多数の人に安定して高速に送れるネットワーク基盤を目指している。これが実現すれば電話や放送などもインターネットに統合できると見られる。高品質で多様なサービスを安いコストで享受できるようになる。

 オフィスや家庭に猛烈な勢いで浸透したインターネット。仕事で必要な情報をネットサーフィンで手際良く探し出したり、なかなか現物が見つからなかった本やパソコン部品をネット通販で首尾よく手に入れて、インターネットの便利さを痛感した人は少なくないでしょう。

 しかし、インターネットは万能ではありません。動画などのマルチメディアデータをやり取りしようとするとスピードが出なかったり、現行方式ではユーザー1人ひとりに付与するアドレスが枯渇する心配があるのなど、高度な利用とさらなる普及を目指すほど問題点が浮き彫りになってしまいます。

 そこでこれらの問題を解決し、21世紀初頭の情報インフラとして十分機能するインターネット、つまり「次世代インターネット」を実現しようという動きが各国で活発化してきました。

◆効果
電話や放送の統合も視野に

 次世代インターネットを一口に表現するなら、「超高速かつ大容量で、どんなにたくさんの人が使おうとも安定稼働する情報ネットワーク」です。

 電子メールやWWWのデータ通信のみならず、今は個別のネットワークで運営している電話やテレビ/ラジオ放送などの統合も視野に入れています。少し技術的な話をすると、「IPパケット」と呼ぶインターネットの共通データ形式を通じて、電話や動画などのマルチメディア通信、テレビやラジオなどの放送なども統合的に扱うことになります。1つの基盤、そして1つの通信方式で様々な情報をやり取りできる基盤が整えば、我々は高品質で多様なサービスを安いコストで享受できることになるでしょう。

 次世代インターネットが現実のものとなれば、パソコンだけでなく、家電製品や自動車、街中の信号機など、様々な機器がつながって情報をやり取りすると思われます。携帯電話にしゃべる上司の“顔”がリアルタイムに表示されるなど、企業活動や個人の生活も大きく変革する可能性を秘めています。

◆事例
「ギガビット」の高速ネットへ

 インターネット先進国の米国は次世代インターネットの研究が活発です。クリントン政権は「NGI(Next Generation Internet=次世代インターネット計画)」を推進する一方、100を超える大学が連合して「インターネット2」プロジェクトを展開しています。日本でも郵政省が主導する「ギガビット・ネットワーク」(JGN=Japan Gigabit Network)などのプロジェクトが動き始めました。ともにギガビット/秒という超高速なインターネットを目指しています。

 技術面では、動画情報の品質を一定に保ちながら多くの人に一斉配信する新しい通信手順や、インターネットの交換機に当たるIPルーターの高速化が不可欠。通信機器メーカーなどが新技術開発にしのぎを削っています。

川上潤司 junji@nikkeibp.co.jp