インフォマートは5月14日,食品食材業界向けの会員制情報提供サイト「FOODS Info Mart」のシステムをリニューアルした。アクセス増加時にパフォーマンスを低下させないため,容易にマシンを増設(スケール・アウト)できる構成を採用。3階層システムを採用し,各層の役割が明確になるようにプログラムを再構成した。ボトルネックを判別し,的確にスケール・アウトするためである。マシンの数の増加に備え,コンテンツを一元管理できるように工夫した。

(実森 仁志=hjitsumo@nikkeibp.co.jp

 インフォマートは5月14日,食品食材業界向けに運営する会員制の情報提供サイト「FOODS Info Mart」のシステムをリニューアルした(写真1)。アクセスの増加に伴うパフォーマンスの低下に備えて,容易にマシンを増設(スケール・アウト)できるような構成を採った。今後のサービス拡充にも柔軟に対応できるように考慮してある。3階層システムを採用し,階層ごとにマシンを配置した。プログラムを再構成して,各マシンの分担を明確にした。

写真1●FOODS Info Mart
写真2●FOODS Info Martで売り手が受注内容を確認している画面

 これにより,ボトルネックになっている処理の切り分けが容易になり,スケール・アウトによってパフォーマンスを確実に向上させることができるようになった。マシンを増設した場合にコンテンツやアプリケーションの管理が煩雑にならないように,コンテンツなどを一元管理できるように工夫している。

図1●FOODS Info Martの概要能性もある
売り手が販売情報を,買い手が購買情報を,それぞれFOODS Info Martに登録,両者をマッチングさせる。マッチングさせた後は,売り手と買い手が直接交渉したり,FOODS Info Martが備える決済代行システムを使ったりして取引する。売り手と買い手の与信審査も実施する。

マーケットプレイスへ転換

 FOODS Info Martはもともと情報提供に徹したサイトとして,インフォマートが1998年に開設した。決済などの取引には直接関与しない方針を採った。買い手は6万円,売り手は30万円の年会費をインフォマートに支払って取引相手と食材の情報を入手し,金額交渉などの実取引は当事者間で実施する。そうしたシンプルな方法が食品食材業者に受け入れられ,会員数は食品食材業界向けサイトとしては最大規模に達している。2001年4月末で,会員数は,売り手企業が1500社,買い手企業が1700社にのぼる。

 しかし,大企業から中小企業まで多くの企業が参加するようになると,情報提供だけでは済まなくなってきた。2000年初頭から,(1)取引先の信用調査を代行してほしい,(2)取引口座を一本化して決済を代行してほしい――といった要望が会員から出てくるようになった。「当時はインターネットを利用した“パクリ屋”の存在がメディアなどでクローズ・アップされており,会員の不安感が募っていた。また,新しい取引先が見つかっても,与信審査に3カ月程度もの時間がかかり,すぐに取引できないケースがあった」(社長の村上 勝照氏)。こうした会員の要望にこたえるため,インフォマートは2000年11月から与信審査と決済代行のサービスも提供するようにした(写真2図1[拡大表示])。

 新しいサービスの追加と並行して,インフォマートはシステムの全面的なリニューアルに向けて検討を始めていた。決済も可能な本格的なマーケットプレイスを提供していくには,会員制の情報提供サイトをもとに,つぎはぎで開発してきたシステムでは柔軟性に欠ける。大量のトランザクションを処理できないおそれもある。それに顧客ニーズにこたえて新たなサービスを追加しなければならないことが予想される。このため,「複雑な処理やトランザクションの増加にも柔軟に対応できる,新たなシステム基盤が必要だと考えた」(開発部ダイレクターの松井 真氏)。


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