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水野 忠則 静岡大学情報学部情報科学科教授
井手口 哲夫 愛知県立大学情報科学部教授

 コンピュータが安価になるにつれ,我々の身近なものになりました。そして,多くのコンピュータが通信回線によって結ばれたコンピュータ・ネットワークも専門家だけのものではなく,多くの人が利用可能なものとなりました。

コンピュータが通信回線で結ばれる

 コンピュータが開発された当初は,コンピュータ本体だけを使って,その場でデータの入出力をしていました。しかし,データが発生する場所とコンピュータの存在する場所は異なっていることが多いので,「実際にデータが発生する場所でデータを入出力したい」という要求が出てきました。その要求にこたえるため,初期の段階ではコンピュータ本体と入出力装置をつなぐケーブルを延長し,次の段階で電話などの公衆通信網を利用しました。

 通信回線を利用したコンピュータ・システムは,大型のホスト・コンピュータをすべての人が利用する集中型のコンピュータ・システムでした。あくまでも一つのコンピュータがすべての処理をします(pict.1[拡大表示])。このようなホスト・コンピュータ・システムは,通信回線を介してホスト・コンピュータ内のデータベースを利用するため,データ通信システムとも呼ばれます。

 データ通信システムと似たシステムには,オンラインで機械やプラント・システムを制御するオンライン・リアルタイム・システムや,1台の大型コンピュータに数多くの端末を通信回線によって結び,多くのユーザーがコンピュータを時分割で共有するタイム・シェアリング・システム(TSS)などがあります。これらは1970年の始めころに本格的に普及し始めました。

 ホスト・コンピュータ・システムは,ホスト・コンピュータがすべての処理を実行するため,ホスト・コンピュータが故障すると,システム全体が使えなくなるという問題点があります。