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水野 忠則 静岡大学情報学部情報科学科教授
石原 進  静岡大学情報学部情報科学科助手

コンピュータ同士が通信するためには,コンピュータが決められたルールに従って動作する必要があります。その通信のためのルールをプロトコルと言います。
ネットワーク機器は,場面や用途で定められたさまざまなプロトコルを使い分けて通信を実現しています。すべての通信はプロトコルがあって初めて成り立っているのです。

プロトコルごとに動作を細かく定める

 コンピュータ同士が通信する際の通信プロトコルは,「メッセージの形式」と「メッセージを受け取ったときの動作」を定めたものです(pict.2[拡大表示])。

 人間同士のやりとりでは,多少の間違いは許されることもあります。しかし,コンピュータ同士の通信では,相手の間違いを柔軟に理解して対応することはできません。そのため,やりとりのためのルールをあらかじめ,しっかりと定めておく必要があります。

 コンピュータ同士で受け渡される信号は “0”または“1”で構成するディジタル・データです。そのデータが表す意味を厳密に定め,データを受け取った側が,そのデータが表している内容を理解できるようにします。

 また,伝送中にデータが壊れたりデータがなくなったりすることがあります。そのため,通信プロトコルでは,正しくメッセージが送られたときの動作だけでなく,障害を防止するための仕組みや,障害が発生したときの動作も定められています。

 現在のコンピュータ・ネットワークは,さまざまなメーカーのネットワーク機器によって構成されています。そのため,通信プロトコルは,特定のメーカーだけの都合で決めるのではなく,標準化団体が決めています。標準化団体が作った通信プロトコルに合わせて各メーカーが機器を作れば,異なるメーカーのネットワーク機器同士でも通信できます。

 例えば,インターネットで使われる代表的な通信プロトコルに,IP(インターネット・プロトコル)があります。このプロトコルは,IETFという標準化団体によって定められています。