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 オフィスや家庭でネットワークを管理していると,ときどき別のパソコンを操作しなければならない状況に出くわすことがある。例えばあまりパソコンに詳しくないユーザーからの質問に答えるとき,電話ではなかなかうまく操作方法を伝えられない。仕方なくそのユーザーのところまで出向き,実際にキーボードを使って操作方法を教えたり入力を代行したりする。こんなとき,遠隔操作ソフトが役に立つ。

 遠隔操作ソフトとは,離れた場所にあるマシンを操作するためのクライアント・サーバー型のソフト。操作されるマシンがサーバーとして,操作するマシンはクライアントとして動作する。クライアントがサーバーにアクセスすると,操作されるマシンの画面が,クライアント・マシンのディスプレイにそのまま表示される。この画面で直接操作できるのだ。遠隔操作していると,操作されているマシンの画面が勝手に動く。人がいないのに画面上のポインタが動いたり,文字が入力されたりするので,あたかも透明人間が操作しているように見える。

 遠隔操作ソフトは米シマンテックや米IBMが提供しているが,フリー・ソフトもある。中でも著名なのはVNC。フリー・ソフトであることに加え,動作環境を選ばないという特徴がある。市販製品はWindows用あるいはMacintosh用が大半だが,VNCはWindows98/95/2000/NTとMacだけでなく,Linux,FreeBSD,Solarisなどの各種UNIX用もある。VNCを使えば,Windows上にMacやUNIXの画面を表示させ,直接操作できるのだ。クライアント・ソフトは,上記のOS用のほか,WindowsCE用,Palm用,Java版がある。

 VNCは独自プロトコルを使って画面情報と入力情報を伝え合う。VNCサーバーからVNCクライアントへは画面出力情報が,VNCクライアントからVNCサーバーへはキーボードやマウスの入力情報が送られる。

 遠隔操作ソフトの使い勝手は,操作するマシンと操作されるマシンの間の回線速度で決まる。モデムやISDNを使った接続では,操作してもすぐに画面が変わらないのでちょっとイライラするかもしれない。これがLANになるとレスポンスは操作に支障が出ない程度にまで速くなる。操作される側のマシンでエディタを開き,簡単な文書を作成するような作業でもあまりストレスは感じない。

 VNCはTCP/IP環境で動くので,インターネット経由で遠隔操作することも可能。家庭が常時接続環境になっているなら,家庭のパソコンに遠隔操作ソフトを入れておけば,出先から家庭のパソコンのアプリケーションを起動したり,設定を変更するといったこともできるわけだ。

 ただし,遠隔操作ソフトの利用ではセキュリティ面で十分な配慮が必要になる。まずはパスワードの管理。VNCの場合,サーバー・マシンごとにパスワードを設定するが,これが漏れるとサーバー・マシンを好き勝手に操作される危険性が出てくる。このことを考慮すると,インターネット経由で遠隔操作できるようにするのはちょっと危ない。

 遠隔操作する側には適切なマナーも求められる。自分が管理するマシンを遠隔操作するのなら問題はないが,他人のマシンにアクセスするときは,自分が操作することやどんな操作をするかをはっきりと告げておく。また用があるときだけ使うようにする。VNCは操作していないときでも,相手マシンの画面情報をクライアントに送っている。このため,結果的にサーバーの画面を盗み見していることになるからだ。

 最後にもう一つ。万が一に備え,自分のマシンにVNCがインストールされていないかどうか確認しておこう。もし,自分がインストールした記憶がないのにVNCが見つかったとしたら・・・。誰かがあなたを監視している!?

高田 学也

関連リンク
VNCは英国にあるAT&;Tケンブリッジ研究所で開発された
日本語でインストール方法などを紹介するページもある