PR

 「IP電話機」と呼ばれる新しいタイプの電話機で,機能拡張が始まった。これまでは,オフィスの電話機をそのままIP対応とするシンプルな製品が一般的だったが,最新機種はWebブラウザを備えている。

 IP電話機は,音声をIP網経由で伝える装置。音声をディジタル・データに変換し,それをIPパケットに入れてからLANポートに送り出す。IPパケットの中が音声であることを除けば,パソコンがTCP/IPで通信しているのと何ら変わりはない。音声通信に特化したIP機器といえる。

 ただしこれまでは,IP機器である特徴をあまり活用していなかった。だが鳥取三洋電機が9月に出荷する「IP-フォン」は,簡易Webブラウザを持つ。Webページを大型の液晶ディスプレイに表示する情報端末として使える。

 IP電話機は,電話番号で相手を呼び出すために,専用の発着信管理サーバーと連係動作するようになっている。これは,IP-フォンも同じである。通常,オフィスに置かれている電話機は,PBX(構内電話交換機)と呼ぶ交換機経由で電話をかけている。IP電話機の場合,管理サーバーがPBXの役割を果たす。このため,IP電話機をLANにつないだだけでは電話をかけられない。

 IP電話機のメリットは,構内配線をLAN配線だけにまとめられること。オフィスでは,電話用の配線とLANの配線を別々に管理していることが多い。IP電話機は,パソコンをLAN接続するためのパソコン用LANポートを備えているので,パソコンの配線もすっきりできる。また,管理サーバーはソフトウエアなのでPBXに比べるとハードウエア故障の確率は低い。

 今あるIP電話機は企業向けの製品。音声をIPで中継するVoIP(voice over IP)技術を取り入れている企業にとっては,PBXを入れ替えるときの有力な選択肢になりそう。将来的に,インターネット接続事業者(プロバイダ)が発着信管理サーバーを運用するようになれば,家庭の電話機もIP電話機になるかもしれない。

高田 学也

<日経NETWORK9月号では,IP電話機のしくみに関する記事を掲載しています。ぜひ,ご覧下さい>