個人ユーザーを対象としたIPv6インターネットの実験サービスが,2001年暮れから相次ぎ始まっている。KDDIやNEC,NTTコミュニケーションズ,IIJ,ニフティ,日本テレコムなどの大手のほか,CATVインターネットを提供中のCATV局が着手している。

 IPv6は,ほぼ無限大のアドレス空間をもつIP(internet protocol)の次世代版。IPv6を使った実験が相次いでいるのは,プロバイダやLANベンダーなど200社以上が参加するIPv6普及・高度化推進協議会が各プロバイダに働きかけたから。同協議会は,政府の「e-Japan重点計画」に基づき,2005年までにIPv6を各家庭に普及させる目的で設立した。実験では,最大1000ユーザーを対象に2002年1月から3月までの期間でIPv6の技術上の問題点の洗い出す。ただし,残念ながらモニターの募集はすでに終了している。

 家庭のネットをIPv6化すると言っても,新たに回線を契約する必要はない。ADSLやCATVなどを使ったインターネット接続の回線にIPv6の通信も相乗りさせられるからだ。現在ADSLやCATVでインターネットにつないでいれば,IPv6対応のルーターと端末機器を用意するだけで,IPv6インターネットにもアクセスできるようになる。同じ回線からIPv4インターネットとIPv6インターネットの両方へアクセスできるわけだ。

 ブロードバンド・ルーターは,IPv6対応の製品に置き換える必要があるが,宅内のLANはそのまま使える。逆に言えば,ルーターを置き換えるだけでIPv6インターネットが利用できるわけだ。ただ,IPv6対応のルーター製品はまだ少ない。そのため,実験では協議会が無料でルーターを貸し出している。あとは,Windows XPマシンなど,IPv6に対応したパソコンをつなぐだけで,すぐにIPv6インターネットへアクセスできる。もちろん,同時にIPv4インターネットも使える。

 IPv6インターネットが既存のIPv4インターネットと異なるのが,接続できる機器の種類。実験では,ベンダーが開発中の通信機能付き家電も貸し出している。IP電話機や,インターネット経由で受け付けた録画予約を赤外線でビデオ・デッキに転送するリモコン,ゲーム機のプレイステーション2(PS2)用のLANアダプタ(3次元チャット・ソフト含む)など,合計約1000台をモニター向けに用意した。IPv6で家電ネットの可能性も広がる。

高田 学也

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