PR

 最近,電話番号をそのままに携帯電話の事業者を変更できる「番号ポータビリティ」が話題になっている。総務省が2月26日に開催した研究会で,携帯電話に「番号ポータビリティ」を導入する方針が固まったのである。「別の携帯電話会社に乗り換えたいけれど,今使っている電話番号は変えたくない」と思っている人にとっては,実現が待ち遠しいだろう。

 でも,そもそも携帯電話の電話番号はどうやって割り振られているのだろうか。今回は,携帯電話の電話番号の構造と,番号ポータビリティの関係について見ていく。

 携帯電話の番号は,ご存知のように090または080から始まる合計11桁の数字になっている。090/080のうしろは,「090-XXXX-XXXX」と4桁ずつ表記するケースが多い。しかし,携帯電話の番号形式は,正しくは「0A0-CDE-FGHJK」となる。090と080は,携帯電話というネットワークに割り当てられたサービス用の番号である。

 そして,090/080のうしろに続く8桁の番号のうち,先頭の3桁は事業者識別コード(CDEコード)と呼ばれる。この3桁の数字を使って携帯電話事業者を区別しているのだ。つまり,このCDEコードを見るだけで,その電話番号のユーザーがどの携帯電話事業者のサービスを利用しているのかがわかる格好になっている。残りの5桁の数字は,各携帯電話事業者がユーザーに対して割り当てている。

 加入電話から携帯電話に電話をかける場合,NTT東西地域会社の電話交換機は,先頭の090/080で携帯電話向けの発信であることを見分け,続く3桁の数字で接続すべき携帯電話事業者を判断している。さらに,携帯電話各社のネットワークでは,CDEコードの3桁と最後の5桁を合わせた8桁の番号でユーザーを識別し,該当するユーザーの携帯電話機を呼び出しているのである。

 しかし,番号ポータビリティを導入すると,この手順を変更せざるをえなくなる。例えば,090-123-45678という電話番号があった場合,今までならデータベースから123はX社だとすぐにわかった。しかし,番号ポータビリティ導入後は,090-123-45678の電話番号を持つユーザーが,Y社に乗り換えているかもしれない。

 そこで,番号ポータビリティを実現するには,乗り換え前の事業者と乗り換え後の事業者間で,転送やつなぎ替えのしくみが必要になる。電話番号を変更せずに携帯電話の事業者を乗り換えられるようになることは,多くのユーザーにとって嬉しいことだろう。しかし,総務省の試算では,番号ポータビリティ導入のために1000億円レベルのコストがかかるという。その巨額の費用は,最終的にユーザーが負担することになる。

斉藤 栄太郎