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那須野 洋一 富士通ネットワークインテグレーション統括部テクニカルセンター長
坂本 誠 富士通ネットワークインテグレーション統括部テクニカルセンター

 インターネットの基盤となるネットワーク機器として,ルーターを見かける機会が増えてきた。社内ネットワークの構築やLANをインターネットに接続する場合にも,欠かせない機器だ。

 ルーターはプロだけが扱える特別な機器ではない。パソコンにOS(オペレーティング・システム)をインストールして適切に設定できる人なら必ず扱える。

 今回は,ルーターの基本構成と基本動作について見ていこう。

ルーターの種類はいろいろある

 ルーターと一口に言ってもその種類は様々だ。通信機器ベンダーは個人ユーザーに向けた数万円の低価格ルーターから,インターネット事業者向けの数千万円規模の大型ルーターまで,用途に合わせて数多くのルーター製品を開発・販売している。

写真1 ルーターにはいろいろな種類がある
ルーターは,二つのLANを接続するものから,多くのネットワークにデータを中継できるものまで様々な種類がある。しかし,基本機能はどれもネットワークの接続である。
 身近なルーター製品の代表例は,家庭や小規模オフィスで用いられるISDNルーターだろう(写真1[拡大表示]のa)。数台のパソコンでLANを組み,それらをISDN経由でインターネットに接続する場面で使う。このタイプの製品は,パソコンをLANケーブルで接続するためのLANポートと,ISDNケーブルを接続するためのISDNポート,電話やFAXを接続するためのアナログ・ポートなどを持っている。通信を始める際に,ISDNでプロバイダアクセス・ポイントにダイヤルすることから,ダイヤルアップ・ルーターと呼ばれることもある。

 次は,企業内ネットワークで使われる中・小規模ネットワーク向けのルーターである(写真1[拡大表示]のb)。フロアのLANを相互に接続したり,支店のLANを本社のLANに接続する場面で使う。LANポートのほかに,通信回線を接続するためのシリアル・ポートを装備できる製品が多い。

 大企業の基幹部分や,プロバイダのネットワークを支える大規模ネットワーク向けモデルは,多くのLANや通信回線を収容できるような構成になっている(写真1[拡大表示]のc)。目的に応じてLANや通信回線を自由に組み合わせることができるという自由度を持つほか,ネットワークの信頼性を高めるために,電源や回線を2重化できる仕組みも備える。

 このように,ルーターは用途別にいろいろある。ただし,どのルーターもLANやWAN(通信回線を利用する広域ネットワーク)を相互につなぎ,受信したIPパケットを適切なネットワークに中継する装置であることに変わりはない。ネットワーク同士の接続とデータの中継--。この二つがルーターの基本的な役割といえる。