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 電子メールといえば,プロバイダや会社にあるメール・サーバーを利用して送信するものと決めつけていないだろうか。今回は,こうしたメール・サーバーが使えない状況でも,普段使っているメール・クライアント(メーラー)でメールを送るツールを紹介しよう。もちろん,普段使っているメール・アドレスはそのままだ。

 出先で急にメールを送りたくなったとき,どうしているだろう。気軽にダイヤルアップできる場合は問題ないが,海外出張時のように,普段使っているプロバイダにアクセスできないときはちょっと困ったことになる。

 最近では,海外にアクセス・ポイントをおくプロバイダも増えてきているが,たいていはその国のプロバイダに接続してローミング・サービスを使うことになる。ローミング・サービス経由の接続では,現地プロバイダのメール・サーバーは使えない。自分のプロバイダのメール・サーバーを使う場合は,送信直前に一度受信プロトコル(POP)でアクセスしておくなどの条件があったりする。こうした制限があるのは,スパム・メールの中継を防ぐためだ。ちなみに受信だけなら,ローミング・サービス経由でも問題ない。

 解決策としてまず思いつくのは,HotmailなどのWebメール・サービスを利用すること。メールを送るという目的は達せられる。ただし一般にWebメールはメーラーに比べて使い勝手が悪い。また,普段使っているメール・アドレスを使えない。

 いつでもどこでも,自分のメール・アドレスでメールを送るにはどうしたらいいだろう。確実なのは,メール・サーバーを持ち歩くこと。といっても,さすがにLinuxをノート・パソコンに入れ,sendmail(もっとも使われているメール・サーバー・ソフト)を動かすのは手軽でない。ここで登場するのが,Windowsマシンで使える簡易版のSMTPサーバーだ。SMTPはメール送信用のプロトコル。メール・サーバーはどれも,SMTPでメールをやりとりしている。

 使い方はこうだ。ユーザーは自分のパソコンの中にあるメーラーから,同じく自分のパソコンの中にあるSMTPサーバーにメールを送る。SMTPサーバーのIPアドレスは,自分のパソコンを示す127.0.0.1と指定する。すると,SMTPサーバーは送信先メール・アドレスから送信先メール・サーバーをDNSで検索し,そこに直接メールをSMTPで送信する。

 なお,簡易版SMTPサーバーには別の使い方もある。昔から使っていて今さら乗り換えられない「メール専用」のプロバイダと,最近使い始めた「Webアクセス専用」の格安プロバイダを契約しているケースだ。このような場合,メールをやり取りするためだけに,いちいちプロバイダをつなぎ換えるのは面倒なもの。簡易版SMTPサーバーを使えば,“メール専用プロバイダ”にダイヤルアップしなくても,普段使っているメール・アドレスでメールを送れる。

 Windows用の簡易メール・サーバーは必要なときだけ動かせばいい。ノート・パソコンに忍ばせておけば,きっと役立つときがあるだろう。

斉藤 栄太郎

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