PR

山本 和彦

図2 検索サービスを提供するMSNとリアルネームズの関係
現時点で利用できるInternet Explorer5.0以上のWebブラウザを使うキーワード・サービスは,独自のしくみを使った過渡的なものである。それはMSNの検索サービスにキーワード・サービスが“間借り”する形で実現されている。

IEが採用した過渡的なしくみとは

 IE5.0以上のキーワード・サービスは,独自かつ過渡的な方法として,MSN検索サービスに「間借り」する形で実現されている。

 まず準備として,検索サービスの一般的なしくみについて説明する。検索サービスのトップ・ページは,検索エンジンそのものではなく,検索エンジンへの窓口である。トップ・ページの役割は,ユーザーが「キーワード入力欄」に入力したキーワードをURLの形に変換することだ。そしてもう一つの役割はそのURLへ自動的にアクセスして,実際の検索エンジンに問い合わせることである(図2[拡大表示])。

 具体的にはMSNの検索サービスのトップ・ページ(www.msn.co.jp)に入力されたキーワードは,MSNの検索エンジン名(search.msn.co.jp)と検索のためのコマンドを含むURLに変換される。例えば「日経BP」は,次のようなURLに変換される。

http://search.msn.co.jp/results.asp?FORM=MSNH&v=1&RS=CHECKED&CY=ja&q=%93%FA%8CoBP

このURLが示すWebページにブラウザがアクセスすれば,「日経BP」というキーワードに対する検索結果が表示される。ここのポイントは,このような書式を知っていれば,検索サービスのトップ・ページを介さずとも,検索エンジンに直接問い合わせられるという点だ。

 そして,この検索結果の第一候補に,リアルネームズのキーワード・データベースを検索した結果が表示される。つまり,MSNの検索サービスは,リアルネームズのキーワード・サービスも提供しているのだ。

 これで,ようやくIE5.0でキーワード・サービスがどう実現されているかを説明する準備が整った。IE5.0は,URL入力欄に入力されたキーワードを,MSNの検索エンジンが理解できる書式に変換して,直接検索する。そして,最初の候補がリアルネームズのキーワード・サービスの結果であれば,そのURLが示すWebページに自動的にアクセスしてそのWebページを表示する。

図3 キーワードを検索する際にサーバーへ送られる検索内容の例
キーワード・サービスはIETFのCNRP(common name resolution protocol)分科会で標準化作業が進められており,現在はインターネット・ドラフトの段階だ。そこでは検索内容の書式としてXML(extensible markup language)を使うことが決まっている。

標準化後の将来像

 現状ではIE5.0が採用する独自の方法でしかキーワード・サービスは利用できない。しかし,近い将来,検索内容の書式や検索手順は標準化される予定である。

 データベースを検索するための仕様はCNRPと呼ばれ,IETFで標準化作業が進められている。すでにCNRP分科会内では合意に至っており,現在はインターネット・ドラフトとして公開され,IETF全体での合意を待っている段階だ。もうすぐRFCとして発行されるだろう。

 CNRPは単純なプロトコルである。ここでは,検索内容の書式と,それをやりとりするための検索手順に分けて説明しよう。

 検索内容は,XMLで設計された言語で記述される。つまり,キーワード・データベース検索用に定義されたHTMLだと考えればよい。実際には,図3[拡大表示]のように,<commonname> というタグを使って検索したいキーワードを指定する。キーワードはUnicode(ユニコード)で記述する。また,<property>というタグによって,言語を指定することができる。

図4 キーワード・サービスが標準化されたあとの利用形態
 同様に,サーバーからの返信内容の書式も,XMLで記述される。

 検索手順としては,Webアクセスで使うHTTPを利用する。通常のHTTPではTCPポート80番を使うが,CNRPの場合はTCPポート1096番を用いる点が違う(図4[拡大表示])。

 なお,リアルネームズはすでに,自社のキーワード・データベースをCNRPで検索できるようにしている

 CNRPが標準化される意義は大きい。IEは今後CNRPに移行する予定なので,リアルネームズのキーワード・データベースを直接参照できるようになる。また,IE以外のWebブラウザもCNRPが標準化されれば,検索機能を追加してくるだろう。