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 電子メールが自分の手元から相手に届くまでの過程を大まかに整理すると,大きく3つのステップに分けられる。

 第一のステップは,メールをパソコンから最寄りのメール・サーバーへ届けるというもの。第二のステップでは,メール・サーバーが相手のメール・サーバーを探し出し,そこへメールを送り届ける。最後のステップは受信側が自分のメール・サーバーにアクセスし,そこから自分あてに届いたメールを取り出す動作である。

 一連の過程を郵便にたとえるとわかりやすい。最初の動作は,送信者が手紙をポストに投函することに相当する。次の動作は,郵便局側の仕事となる。局員がポストから取り出した手紙は相手側の近くの郵便局に送られ,最終的に相手の郵便受けに配達される。最後に,相手が自分の郵便受けから自分あての手紙を取り出す。

 電子メールのしくみと照らして考えると,メール・サーバーはちょうど郵便局の役割を果たしていることになる。一方のユーザーは,パソコン上で電子メールを読み書きするのに,メーラーと呼ぶソフトを使う。このソフトが,郵便ポストに投函したり郵便受けから取り出す役割を担当する。

SMTPは送信用,POP3は受信用

図1電子メールのしくみ
SMTPとPOP3を使い分けている
 もう少し詳しく見てみよう。メールが相手に届くまでには使われるプロトコルは二つある(図1[拡大表示])。一つは,メーラーがメール・サーバーに送信するとき(図1の(1))と,メール・サーバー間でメールを中継するとき(図1の(4))で使われるSMTP。もう一つは,メールを読み出すときに使うPOP3である(図1の(6))。

 メールを送りたいユーザーは,メーラーを起動してメールを書く。送信ボタンを押すと,あらかじめ設定しておいたメール・サーバーに向けて,メールをSMTPで送信する。メールを受け取ったメール・サーバーは,相手のメール・アドレスからその相手が使うメール・サーバーを見つけだし,そこへ向けてメールをSMTPで転送する。

 相手のメール・サーバーのIPアドレスは,メール・サーバーに含まれるドメイン名をDNSサーバーに問い合わせると知らせてもらえる(図1の(3))。DNSサーバーには,メール・アドレスの@マーク以降のドメイン名と,そのドメイン名用のメール・サーバーのIPアドレスが対応づけられて登録されているからである。

 相手側のメール・サーバーは,届いたメールをハードディスク上に蓄積しておく。受信者がメーラーを起動して受信ボタンを押すと,あらかじめ設定してあるメール・サーバーにPOP3でアクセスし,自分あてのメールを読み出す。こうして受信が完了する。

 メールを相手のパソコンにSMTPで直接送り付けないのは,受信側のコンピュータがいつも動いているとは限らないから。SMTPでは何度か送信に失敗すると送信をとりやめてしまう。そこで受信側が好きなタイミングでメールを取り込めるように,送信側は相手側のメール・サーバーにメールを送るのだ。SMTPはメールを読み出す機能を持っていないので,受信側では読み出し専用プロトコルであるPOP3を使うのである。