水野 忠則 静岡大学情報学部情報科学科教授
井手口 哲夫 愛知県立大学情報科学部教授

トークンを見て送信可否を判断

 トークンは送信権を表す情報(ビットパターン)です。トークンリング方式のLANではコンピュータが文字通りリング状に並び,その輪をトークンが巡回します。トークンにはビジー(使用中)とフリー(未使用)の状態があり,コンピュータがデータを送信できるのは,フリートークンが到着したときだけです(pict.2[拡大表示])。データの送信を行うコンピュータはフリートークンをビジートークンに変え,宛先とデータを連結して送出します。

 トークンリングは米IBM社が中心になって開発した技術で,現在でも同社の分散システム製品のLANで使われています。なお,論理的にはリング状にコンピュータを配置するのですが,実際はコンセントレータと呼ばれる集線装置を使ってスター状に配置するのが一般的です。

 トークンバスは,ケーブルテレビ用の同軸ケーブルにコンピュータを順番にぶら下げるように接続します。各コンピュータにアドレス番号を設定し,アドレス値の大きな順にトークンを巡回させます。コンピュータは1列に並ぶのですが,論理的にはリングを構成します。米国の自動車会社ゼネラル・モータース(GM)が中心になって開発した工場用LAN「MAP」(製造用自動化プロトコル)で採用していましたが,現在ではあまり使われていません。