セキュリティには定番がないが…
最後にセキュリティに関する本を2冊紹介しておこう。『UNIX&インターネットセキュリティ』と『ネットワークセキュリティ』である。
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ネットワンシステムズの白橋明弘応用技術部第一部部長。本誌連載「ツボを押さえるセキュリティ対策」の筆者。 |
セキュリティ技術全般を一冊で解説した本がほとんどないのは,一般論ではなかなか書きにくいことにある。ユーザー環境はそれぞれ異なるので,効果的なセキュリティ対策は個別対応にならざるを得ない側面があるからだ。そのため,解説書は抽象的な理論や概念を述べるか,個別の環境に特化したハウツー的な内容になりがちである。本書もUNIX環境に対象を絞っているが,総合的な視点を失わずに技術が解説されている点で希有けうな存在と言える。
一方,『ネットワークセキュリティ』は暗号技術とその応用(セキュリティ・プロトコル)について書かれた教科書である。「セキュリティの専門家なら,絶対に読んでおくべき」(白橋氏)である。ただ本格的な内容なので,一般のネットワーク技術者が気軽に手に取って読むような本ではない。リファレンス的に使うと役立つだろう。
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UNIX&インターネットセキュリティ 原題 :Practical UNIX and Internet Security Second Edition 著者 :シムソン・ガーフィンケル,ジーン・スパフォード 監訳 :山口英 出版 :オライリー・ジャパン ページ :944ページ 価格 :7500円 ISBN:4-900900-38-9 |
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ネットワークセキュリティ 原題 :NETWORK SECURITY PRIVATE Communication in a PUBLIC World 著者 :チャーリー・カウフマン,ラディア・パールマン,マイク・スペシナー 翻訳 :石橋啓一郎,菊池浩明ほか 出版 :ピアソン・エデュケーション ページ :517ページ 価格 :5200円 ISBN :4-89471-227-X |