PPPは交渉,認証,通知,監視の4大機能を備える。それぞれの実行フェーズでは,豊富に用意されたオプションから必要となる機能を選び,最適な条件を探り出して通信する。

図6 典型的なPPPの接続手順
PPPを使ってTCP/IPの通信を行う場合の典型的なプロセス。認証にCHAPを使っている例を示している。まずLCPのネゴシエーション,次にCHAP認証(LCPオプションのネゴシエーション)が行われた後,IPCPでネゴシエーションして通信を確立する。PPPヘッダーは,プロトコル値(2バイト)だけというシンプルな構造だ。

2バイトのヘッダーで中身がわかる

 PPPはレイヤー2プロトコルなので,レイヤー3プロトコルをデータと見なし,その先頭部分にヘッダーを付けた構造となっている。PPPのヘッダーはとてもシンプルでたった2バイト(16ビット)しかない。

 ここに書き込まれるのはプロトコルIDと呼ばれる識別子。ヘッダーに続くデータ部分の内容を示す。運んでいるプロトコルの種類や,LCPやNCPで使われる制御メッセージを示す。PPP対応機器は,受け取ったPPPのヘッダーを見るだけで,次にするべき処理を判断できる。

 ヘッダーをここまでシンプルにできるのは,PPPが一対一の通信用に設計されているから。相手は常に決まっているから,あて先や送り元を識別するアドレス情報が不要なのである。

4大機能は順を追って動作する

 次に,PPP通信の全体の流れを確認しておこう。

 PPP通信は4大機能を順を追って実行する(図6[拡大表示])。

 まず通信の条件を決める交渉と相手を確認する認証は,最初のリンク確立フェーズでやりとりする。これが終わると,NCPの処理が始まる。ここではレイヤー3プロトコルに関連した設定が交渉され,必要に応じて通知機能が使われる。IPの場合は,IPアドレスが通知される。

 NCPの設定が終わると,実際のデータ通信が始まる。ただしデータ通信の間は,リンクの監視機能がいつでも使えるしくみになっている。