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マイクロソフトはクライアント向けOSの新版「Windows XP 日本語版」を2001年11月に出荷する予定である。企業内のヘルプデスク業務を支援する機能を追加し,既存OSとの互換性にも配慮した。実際にベータ2を試用し,従来のWindowsクライアントから移行するメリットを検証した。

写真1●Windows XP Professional 日本語版 ベータ2の動作画面
 
図1●Windows XPの位置付け
Windows95/98/98SE/Meの後継OSであり,かつWindows NT Workstation 4.0/2000 Professionalの後継でもある。実体は16ビット・コードの廃止,メモリー保護機能の搭載など,Windows 2000の後継に近い。図中の出荷時期は,いずれも日本語版
 米Microsoftは同社のクライアント向けOSの新版「Windows XP(以下XP)」を2001年10月25日に出荷する。日本語版も2001年11月には出荷される見込みだ。既にマイクロソフトは,開発者やプレス向けに同OSの全機能を搭載した評価版「日本語版 ベータ2」(写真1[拡大表示])を配布済みである*1

 以下では,実際に日本語版 ベータ2を試用した結果を踏まえてXPの製品戦略と新機能を解説した上で,従来のWindowsクライアントをXPに移行すべきか否かを探った。

2つのラインナップを一本化

 米Microsoftのクライアント向けOSには,これまでWindows95/98/MeなどのWindows9x系と,Windows NT Workstation 4.0(以下NT4.0)やWindows 2000 ProfessionalなどのNT系の2つのラインナップがあった。前者は家庭向け,後者は企業向けという位置付けである。Microsoftはこれら2つのラインナップを一本化し,XPに刷新する(図1[拡大表示])。

 XPは家庭向けおよび企業向けの2つのエディションを用意する。家庭向けが「Windows XP Home Edition」,企業向けが「同Professional」である。Home EditionはProfessionalの完全なサブセットであり,ドメインや同社のディレクトリ・サービス「Active Directory」が利用できず,ファイルやフォルダごとにアクセス権を設定する機能なども無い。企業ではProfessional を選択することになる。

実体は「Windows 2001」

 XPは新名称と新しいGUI(Graphical User Interface)を掲げているため,一見従来と大きく変わったように見える。しかし,Windows 2000でファイル・システムやメモリー管理機能が変わったようなOSの根幹にかかわる変更はない。ソース・コードはWindows 2000ベースである。日本語版のベータ2(ビルドナンバー2462)をインストールしてみても,インストーラの画面や処理の流れ,各種設定画面などはWindows 2000とよく似ている*2

表1●Windows XP Professionalの主な新機能(○はその機能に対応,×は対応していないことを示す)
 Windows 2000をインストールした経験のあるユーザーならほとんど迷うことなくインストールや設定が行えるはずだ。「Luna」と呼ぶ新GUIも見た目こそ大きく変わったものの,操作に迷うことはない。またWindows 95以来ユーザーが親しんできた従来のインタフェースにも設定できる。

 新たに備えたとされる機能の大半も,実はWindows Meまたは同2000で搭載済みのものだ。特に企業での利用に限定すると,有用な新機能としては表1[拡大表示]に挙げる程度のものしかない。ただ,このなかで,既存OSとのアプリケーションの互換性を確保する「AppFix」と,ターミナル・サービスのエンジンを利用してヘルプデスク業務をサポートする「リモート・アシスタンス」の2つは,XPへの移行を検討する際に注目すべき機能である。

(矢崎 茂明=yazaki@nikkeibp.co.jp