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価格は共有ディスク型とほぼ同等

表3●日立製作所のFTサーバーとクラスタ・システムの価格比較
 価格を比較するため,日立製作所が用意するクラスタ・パッケージ2製品と同社のFTサーバーのカタログ・プライスを比較したのが表3[拡大表示]である。CPUのスペックやメモリー,ハード・ディスクの搭載容量は,可能な限り同条件にそろえた*2。クラスタ化に必要なソフトや,設置に必要なラック,OSの代金も含まれている。

 「HA8000/HiCLUSTER100」は,非共有ディスク型のクラスタ・パッケージである。非共有ディスク型は,処理の引き継ぎに使うデータを各サーバー内のディスクに常時複製して保存する。高価な共有ディスクが必要ないため安価にクラスタ構成が取れる。価格も150万円弱と,FTサーバーと300万円以上の開きがある。

 一方,処理の引き継ぎに必要なデータを1台の共有ディスク装置で共有する共有ディスク型クラスタ・システム「同550」は,ファイバ・チャネル対応の共有ディスクが組み込まれている分,600万円強と高価だ。

 価格だけで比較すると,FTサーバーと非共有ディスク型のクラスタ・システムは競合しにくい。逆に,共有ディスク型のクラスタ・システムを検討しているユーザーにとって,FTサーバーは競合製品に十分成りうる。

 さらに,表3の価格にはミドルウエア製品などソフトの価格が含まれていない点も要注意だ。クラスタ・システムにミドルウエアを導入する場合,2台分のライセンス料がかかるケースが多い。SQL Server 2000 Enterprise Editionのように,1ライセンスでクラスタ構成が可能な製品もあるが,それでも通常価格よりも割高である*3

 加えて,先に説明したように,クラスタ・システムの場合,アプリケーションごとにスクリプトの作成作業や動作検証にも費用が発生する点も考慮しておきたい。トータルでは,共有ディスク型のクラスタ・システムの方が割高になる傾向がある。

課題はCPUが限定されること

 これらFTサーバーの備える特徴を理解して活用すれば,Windows 2000サーバーの可用性を高める手段として,FTサーバーはクラスタ・システムと並び十分に魅力的な選択肢だ。

 とはいえ,FTサーバーにも課題はある。注意したいのは,CPUのスペックが限定されている点だ。表1の4社が提供するFTサーバーの搭載CPUは,「Pentium III-800MHz」と「同Xeon-750MHz」の2種類に限定されている。システム規模に応じてCPUのスペックが選択できるクラスタ・システムと比べ,制限を受けやすい。あるFTサーバーの営業担当者は「ユーザー企業にCPUのスペックが限定される点を説明した途端に,まとまりかけていた商談が破談になったケースも少なくない」と漏らす。

 FTサーバーの開発元である米Stratus Technologiesは,1GHzを超えるCPUを搭載した新製品を2002年第4四半期をメドに投入する予定という。FTサーバーの導入をこれから検討するなら,製品ラインナップの拡充を待つ手もある。

(菅井 光浩=sugai@nikkeibp.co.jp)

クラスタ・システムの概要

表A●Windows 2000環境で利用可能なクラスタリング・ソフトの例
 サーバーをクラスタ化するには,最低でも2台のサーバーと専用のクラスタリング・ソフトが必要だ。クラスタリング・ソフトは,サーバー・ベンダーが自社サーバー向けに製品化しているほか,ソフト単体で購入できる製品もある(表A[拡大表示])。

 NECや東芝,富士通のクラスタリング・ソフトは,共有ディスク型と非共有ディスク型(ディスク・ミラーリング型)の両方のクラスタ方式に対応している。ネットジャパンの「Co-Standbay Server 2000」(開発は米Legato Systems)は,非共有型のクラスタリング・ソフトだ。このほか共有ディスク型のクラスタリング・ソフトとしては,Windows 2000 Advanced Server/同Datacenter Serverに標準で付属する「Microsoft Cluseter Service」などがある。

 クラスタリング・ソフトは,組み合わせて利用できるPCサーバーの種類が限定されている場合があるので注意したい。東芝の「DNCWARE ClusterPerfect」は,同社のIAサーバー「MAGNIA」シリーズとIBM製の一部のIAサーバーを認定ハードウエアとして指定している。一方,ネットジャパンのCo-Standbay Server 2000は,サーバーの種類を問わない。異なるベンダーのサーバーを組み合わせて利用できるほか,2台のサーバーのスペック自体が異なっていてもサポート対象となる。