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Q 質問 ISDNルーターの導入を検討しています。製品を選ぶポイントを教えてください

A 回答 アナログ・ポートの有無や設定方法などが選択のポイントです。将来的にISDNから別の回線に移行するか,も考慮しておくべきです。自社にとって不要な機能をそぎ落としていけば,かなり安価な製品が選択肢に入ってきます。

 ISDNルーター製品には,NECの「Comstarz Router」,ビー・ユー・ジーの「MN128シリーズ」,富士通の「NetVehicle」,古河電気工業の「Mucho」,ヤマハの「RTシリーズ」などがあります。製品間の価格競争が激しいため,安いものであれば3万円台で手に入るようになってきました。

 ISDNルーターの用途は大きく2つあります。一つはISP(Internet Service Provider)に接続するため,もう一つはLAN同士を接続するためです。導入する目的に合わせて機能を絞り込んで製品を選べば,ネットワークを安価に構築できます。

表1●I SDNルーター製品を選択,活用するためのポイント

複数台のパソコンをISDNに接続

 I SDNルーター製品を選択するポイントは,いくつかあります。それは,(1)アナログ・ポートの有無,(2)ISDN以外の回線を利用できるか,(3)設定方法――などです(表1[拡大表示])。

 「INSネット64」や「INSネット1500」といったISDN回線を接続するためには,DSU(Digital Service Unit)が必要です。最近のISDNルーターの多くは,あらかじめDSUを内蔵しています(図3[拡大表示])。

 ISDNルーターが無くても,DSUとTA(Terminal Adapter)さえあれば,パソコンをISDNに接続できます。しかしこの場合,パソコンは1台に限られます。これに対し,ISDNルーターは10BASE-Tや100BASE-TXなどのLANポートを備えているため,ポートにハブを接続することで,複数台のパソコンをISDNに接続できます。また,ハブをあらかじめ内蔵し,複数個のLANポートを備える製品もあります。LANポートの数は,低価格な製品では4ポートぐらいです。

 アナログ・ポートの有無を確認することも大切です。電話やファクシミリといったアナログ製品は,そのままではISDNに接続できません。アナログ・ポートを備えた製品であれば,アナログ製品をそのまま接続できます。また,G4ファクシミリなどのISDN機器は,S/T点と呼ぶポートに接続します。必要であれば,ポートの有無を確認しましょう。

図3●ISDNルーターの基本構成
多くの製品がDSUやTAを内蔵しているため,安価にISDNに接続できる。専用線やフレーム・リレーを利用できる製品もあるため,ISP(Internet Service Provider)への接続だけでなく,社内WANのルーターとしても利用できる

ISDN以外の回線を利用するか

 INSネット64では,Bチャネルと呼ぶ64Kbpsのデータ通信用のチャネルが2つ,Dチャネルと呼ぶ制御用のチャネルが1つ利用できます。MP(PPP Multilink Protocol)が利用できる製品は,2本のBチャネルを束ねることで,128Kbpsの回線速度で通信できます。

 ISDN回線には,データを送信する時に接続し,送信が完了したら切断します。ISDNの通信料金は基本的に接続時間に応じて課金される従量制です。そのため,接続時間が増えてきた場合は,専用線やフレーム・リレーなどの常時接続型の回線サービスに切り替えた方が,ISDNを使うよりも“得”なこともあります。

 ほとんどの製品は,ISDNだけでなく専用線(64K/128Kbps)にも対応しています。そのため,NTTの「OCNエコノミー」を使ってISPに接続するようなことが可能です。また,フレーム・リレー(64K/128Kbps)に対応した製品も増えてきましたが,対応していないモデルに比べると価格は高めです。将来的に,常時接続型の回線サービスに移行する可能性があるかを判断する必要があります。

 ISDNルーターを利用するためには,アドレスや回線種別といった情報を製品に設定する必要があります。多くの製品は,LANに接続したパソコンからWWWブラウザを使って設定作業を行えます。また,独自のインストーラを備え,設定情報を流し込むタイプの製品もあります。ISDNルーターを大量に導入するような場合は,テキスト・ベースで情報を管理し,設定できる機能があれば便利です。

 設定項目の中で見落としがちなのが,自動切断の機能です。ほとんどの製品は,データが一定の時間流れなければ回線を切断する機能を備えています。切断するトリガーは,時間だけでなく,市内/市外通話の判断など,様々なルールの組み合わせが可能です。ルールをうまく設定しないと,無駄な接続時間が増え,通信料金がかさんでしまうので注意が必要です。

(本誌)