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Q 質問 xDSLを使ったインターネット接続サービスの導入を検討しています。利用上の注意点を教えてください

A 回答 ADSLを中心にサービスは増えてきました。しかし,サービスの提供エリアがまだまだ狭いため,サービス・プロバイダへの事前確認は欠かせません。また,光ファイバ化された電話回線では利用できないため,光ファイバ化の動向にも注意する必要があります


 xDSLを使ったインターネット接続サービスは,ISDNなどよりも低料金で,かつ高速に通信できることがメリットです。xDSLは,ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line),SDSL(Symmetric Digital Subscriber Line),VDSL(Very high-speed Digital Subscriber Line)といったDSL技術の総称です。

現在,日本で利用可能な主なサービスはADSLとSDSLです。ADSLサービスは,1999年12月に東京めたりっく通信やエヌ・ティ・ティ・エムイーなどが提供を開始しました。さらに2000年の春には,KDDやDDI,日本テレコムなども参入し,現在までのところxDSLサービスの主流となっています。

 ADSLは,ユーザーからサービス・プロバイダへの上りよりも,反対の下りの回線速度の方が速いサービスです。そのため,WWWを参照するような下りのデータ量が多い場合に効果を発揮できます。

 NTT東日本/西日本が用意したADSL装置を利用したサービスの場合,最大回線速度は上りが224Kビット/秒,下りが512Kビット/秒です。利用料金はサービス・プロバイダによって異なりますが,この回線速度で月額5000円台~7000円前後(電話料金を除く)といったところです。

既存の電話回線(銅線)で使える

 では,ADSLサービスの仕組みと利用上の注意点を見ていきましょう。ADSLサービスを利用するためには,(1)電話回線(銅線),(2)ADSLモデム,(3)スプリッタ――の3つが必要です(図3[拡大表示])。

図3●ADSLの仕組みと注意点
既存の電話回線(銅線)を利用できる手軽さなどから,インターネット接続サービスとしてADSLが注目されている。しかし,サービスの提供エリアが限定されるなどの注意点がある

 (1)は既存の電話回線(銅線)をそのまま使えます。(2)と(3)は,サービス・プロバイダからレンタルできます。ADSLモデムは,パソコンやLANからのデジタル・データをDSL信号に変調/復調するもの。スプリッタは,DSL信号とアナログ・データ(音声)のチャネルを分離して,一本の電話回線を共有させるために必要です。

 スプリッタは,ユーザー宅とNTTの収容局に対向させる形で設置します。NTTの収容局に設置してあるスプリッタは,電話回線からの信号を分離し,電話交換機とサービス・プロバイダ向けのルーターに振り分けます。また,NTTの収容局ではADSLモデムの代わりに,DSLAM(DSL Access Multiplexer)と呼ばれる機器が設置されています。

光ファイバ化の動向に注意

 ADSLを利用する際の現状での注意点は,大きく3つにまとめられます。それは,(1)ADSLサービスの提供エリアが限定されている,(2)ADSLを導入するための工事に時間がかかる,(3)電話回線が光ファイバ化されていると利用できない――ということです。

 ADSLが利用できる地域はサービス・プロバイダによって異なりますが,現状ではまだまだ限定的です。多くのサービス・プロバイダは,まず東京都と大阪府からサービスを開始し,提供エリアを拡大させる方針です。ADSLを利用できるか否かは,電話回線を接続しているNTTの収容局側でサービス・プロバイダが対応しているか,で決まります。サービス・プロバイダの多くは“対応済み”の局番をホームページなどで公開しています。

 ADSLサービスを利用するためには,電話回線が光ファイバ化されていない,ということが条件になります。xDSLは,銅線を使って高速な通信を実現するための技術です。そのため,ユーザー宅からNTT収容局までの電話回線の一部でも光ファイバ化されている場合は,ADSLサービスが利用できないのです。

 電話回線が光ファイバ化されているか否かは,サービス・プロバイダに申し込みをした後の調査で分かります。電話回線が既に光ファイバ化されている場合,ADSLサービスへの加入はあきらめざるを得ません。

 最近では,FTTH(fiber to the home)という電話回線を光ファイバ化する計画も活発に進んでいます。FTTHは,次世代の高速通信サービスとして,NTT東日本/西日本だけでなく電力会社などもサービスに参入してきます。xDSLサービスの利用を検討する際は,FTTHに代表される光ファイバ化の動向も考慮する必要があるでしょう。

(本誌)