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Q 質問 ISPを変更しようと考えているのですが,WWWサーバーを停止することなく移行するにはどうすればいいのでしょうか。

A 回答 ISP(Internet Service Provider)を変更する場合は代替サーバーを用意して一時的に二重構成で運用するのが一般的です。


 ISPを変更する場合,(1)既存ホスト名やドメイン名をそのまま利用してIPアドレスだけを変更する,(2)IPアドレスと同時にホスト名やドメイン名を変更する,といった2つの形態が考えられます。以下では,それぞれの場合に分けて対処方法を説明します。

 (1)の場合,日本ネットワークインフォメーションセンター(JPNIC)にIPアドレスの変更を申請した上で,自社のDNS(Domain Name System)サーバーに登録してあるホスト名とIPアドレスの設定を変更します。ただし,単純にDNSサーバーの設定を変更しただけでは駄目で,代替サーバーを用意して一時的にシステムを二重構成で運用する必要があります([拡大表示])。この理由は主に2つあります。

図●IPアドレスのみの変更なら,一時的にサーバーを二重構成にする必要がある
プロバイダを変更する場合,(1)JPNICのIPアドレスの変更と自社DNSの設定変更を同時に行うことはできない,(2)クライアントやインターネット上のDNSサーバーのキャッシュに変更前のIPアドレスが残っている可能性がある,という理由からサーバーの二重構成が不可欠となる

IPアドレスの切り替わり時期が不明

 一つは,JPNICにIPアドレスの変更を申請した場合に,新しいIPアドレスに切り替わるタイミングが事前に把握できないことです。そのため,JPNICでのIPアドレスの変更とDNSサーバーの設定変更を完全に同時に行うのは不可能です。一時的にユーザーがアクセスできなくなる問題が起こらないように,「最大1~2日間位は二重設備を持っておく」(NTTPCコミュニケーションズ)ようにします。

 もう一つは,DNSサーバーのIPアドレスの設定を変更した後も,インターネット上にあるDNSサーバーやクライアントのキャッシュに,古いIPアドレスが残っている可能性があることです。その場合,古いIPアドレスに対してリクエストが来てしまいます。DNSに設定されているホスト名とIPアドレスの組み合わせの生存時間(TTL:Time To Live)を小さくしてキャッシュを防ぐようにします。TTLは通常,1日~1週間に設定されています。ただし,むやみにこの値を小さくすると,DNSサーバーに対する問い合わせの頻度が高くなってサーバーの負荷が増します。「TTLを5分以下に設定しても効果はほとんど見込めない」(NTTPCコミュニケーションズ)ため,数時間程度が良いでしょう。

旧名へのアクセスに対処

 一方,(2)IPアドレスと同時にホスト名やドメイン名も変更になる場合は,新規にドメイン名を取得するので上記のような問題は発生しません。ただ,新しいサーバーのIPアドレスやドメイン名を知らないユーザーはアクセスできなくなるので,従来のサーバーをしばらく残しておき,以下のようなことを実施します。

 WWWサーバーの場合はトップページでサーバーが移動したことを告知し,<meta>タグなどを利用して新しいWWWサーバーにリダイレクトするようにします。ブックマークからアクセスしてくる可能性もあるので404 Not Foundなどのエラー・メッセージに対しても同じことを実施します。SMTPサーバーの場合も新しいサーバーに対して転送する設定をしておきます。しばらくはこのような運用を続け,最終的にアクセスがほとんどなくなった状態を確認してから,従来のサーバーを撤去するようにします。

(本誌)