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図1●情報処理技術者試験の変遷
*問題の模範解答は次回(11月6日公開)掲載します
 IT業界は広い幅を持ち,多くの人によって成り立っている。ここに始まる新連載「IT業界の資格指南」では,資格試験を通してIT業界の姿に迫ろう。社会がIT業界にどんな仕事を,どんな人を,どんなスキルを求めているのか,資格試験を通して知ることができるのではないかと思うからだ。

 資格試験は身近で現実的なものでもある。資格取得のための勉強は知識の習得に役立つし,その資格によって給料が上がったり,就職に有利だったりする。この連載は,これから資格試験に挑戦しようという人に,自分に合った資格試験を選択するための情報も提供したい。

2000年まで「第二種」と呼ばれていた

 とまあ,決意表明はこれくらいにしておいて,1回めのお題「基本情報技術者試験」の話を始めよう。基本情報技術者試験は「情報処理技術者試験」の一つである(図1[拡大表示])。基本情報技術者という名前になじみがない人も,「第二種」というと「あー,あれね」と思うのではないだろうか。1969年から2002年にかけてのべ597万人が応募し,391万人が受験し(申し込んでも受験しない人が多いのもこの試験の特徴だ),61万人が合格したという,IT業界を代表するビッグな資格試験がこの基本情報技術者試験なのだ([拡大表示])。

 情報処理技術者試験は経済産業省(旧通商産業省)が法律にのっとって行う国家試験である。1966年に試験が始まったときには「第一種」と「第二種」の二つがあっただけなのだが,その後制度が何度か変更され,現在では13種類の資格試験がある。大きく分けると三つになる。ユーザー側の立場に立つ「初級システムアドミニストレータ(シスアド)」,「上級シスアド」,「情報セキュリティアドミニストレータ」が一つのグループ,「システム監査技術者試験」は開発者でもなく利用者でもない第三者としての独立した立場を持つグループ,残りは開発者のグループだ。利用者グループの入り口が初級シスアドで,開発者グループの入り口が基本情報技術者である。IT業界では,基本情報技術者に資格手当が出る例が多い。入社するとすぐにこの資格を取れと命じる会社も多い。

C,COBOL,Java,アセンブラ
言語の問題があるのが特徴

 基本情報技術者になるにはどんな試験問題を解けばよいのだろうか。「過去問題[拡大表示]」に,例として2001年度秋期に出題された2問を示す(2002年度から試験問題は試験後に公開されなくなった)。午前中は2時間半(150分)に右の問40のような問題を80問解く。問40は日経ソフトウエアの読者だったら一瞬で答えられるだろうが,これは一番簡単そうな問題を選んだので,実際には止まって考え込まざるを得ないものもある。80問を150分ということは1問を2分弱でクリアしなければならないのだからけっこう忙しい。

 午後には13問が出題され7問に回答する。5問は擬似言語などを使ったもので,全員が解く必要がある。あとの2問は,C,COBOL,Java,アセンブラという四つの言語で2問ずつ出題されるので,一つの言語を選んで答える。言語の問題があるのは,情報処理技術者試験の中で基本情報技術者だけで,これがこの試験の大きな特徴になっている。

 問6は午後のC言語の問題だ。頭と紙と鉛筆だけで(Cコンパイラなしで)プログラムの動きを考えるのは面白いが,試験としてこれに取り組むと,かなりきつい。午前,午後合わせて5時間の試験が終わると,疲れて何もしたくなくなる。私は情報処理技術者試験では第二種,第一種,特種,オンラインに合格しているが,試験時間中に一番頭を使ったのは第二種だったのではないかと思うほどだ。