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 コンピュータを買うときに,技術的な内容を分かっている人に説明してほしいというのはだれしも思うところ。最近はソリューションといって,必要なソフトウエアやハードウエアをシステムとしてまとめて(インテグレーションして)販売する事例が増えてきているので,販売店も販売する製品に関して能力のある技術者を雇いたいのは当然だ。このように特定のソフトウエアやハードウエアに関する能力をその開発元(ベンダー)が証明する資格を「ベンダー資格」といい,最近人気が高まっている。

 ベンダー資格には今回紹介するマイクロソフト認定技術者(MCP)のほかに,オラクルのORACLE MASTER(オラクルマスター),シスコのcisco認定技術者などがあって,一部ではその人気が過熱しているようだ。これは数年前のITバブル期にIT技術者の需要が高まり,ベンダー資格保有者を重用してほしいというベンダーから業界への働きかけがあったからと言われている。この内情を書くのは別の機会にゆずることにして,さっそくMCPをご紹介しよう。

ベンダー資格として知名度抜群150カ国で実施

 MCPの最大の特徴は世界共通の試験で,約150カ国で同一問題(英語),同一価格(米ドル建て)で試験が実施されている点に特徴がある。もっとも,日本はやや特殊なのか,日本語でも試験が実施されており,受験料も1科目1万5000円と円建てで設定されている。

 合格者数や合格率は非公開だが,マイクロソフトによると,現在の有資格者数は日本で約12万人,全世界で実に約180万人を数えるという。これも,マイクロソフトの製品が世界中隅々にまで行きわたっていることを意味し,ベンダー資格としての知名度はナンバーワンだ。

 MCPはいわゆるCBT(Computer Based Testing)と呼ばれる方式で,PCのディスプレイに表示される試験に回答していくもの。例えばコントロールパネルが表示されて,そこから必要なアイコンを選ぶというような,実際の操作に関連する問題も比較的容易に出題できる。ある問題の正誤により,次の問題の難易度を「アダプティブ」に変えて出題することで,スキルを正確に測る工夫もされている。簡単な問題を連続して間違えるとその時点で試験はストップし,不合格になってしまうのも,CBTならではのことだ。

 日曜日を除くほぼ毎日,試験委託先(日本ではアール・プロメトリック,ピアソンVUEの2社)の試験会場で受験できる。至極便利な試験である。ただし,同一科目を3回目に受験するときは,2回目以降14日間受験できない。

MCPを取得するメリット

 詳細は後述するが,45科目ある試験科目のうち1科目でも合格するとMCPに認定される。MCPになるといったいどういうメリットがあるのか興味ある読者も多いだろう。まず,なんといっても大きいのはMCPロゴの表示やシールの使用が許されることだ。MCPのロゴを刷り込んでいる名刺をもらったことがある人も多いのではないだろうか。もちろん,これはマイクロソフト製品に対する一定の技術力を持っていますよということだ。ただだから何なのかと言われると,その評価は難しいところがある。なぜならば,資金力のある販売店はMCPを養成しやすいし,現にMCPは半分程度の受験者が企業からだ。

 1科目でも合格して,MCPに認定されるとウエルカムキットが送られてくる。キットに記述されているMCP専用のWebサイトへのアクセスが可能になり,別途,ピンバッジやIDカードも送られてくる。また,マイクロソフト製品やマイクロソフトプレス書籍の優待販売がある。もっとも,常に割引されるわけではないので,それが目当てならば,放送大学の科目履修生に登録して,学割を利かしたほうがベターかもしれない。

じつに試験科目の多いMCP

 MCPの試験科目は,Windowsに関するもの,システム・アプリケーションに関するもの,システム開発に関するものなど多岐にわたっている。公式には「システムエンジニアトラック」,「データベースアドミニストレータトラック」,「ソリューションデベロッパートラック」という三つのグループがあり,その中も複数のレベルに分類されている。

 これらの試験科目は,単に知識を問うのではなく,実際の操作方法を知っていたり実機での経験がないと解けない問題も多い。また,従来は機能を問う問題が多かったが,今年9月に試験が開始されるWindows Server 2003の試験からは,日常業務に即した問題が中心となる。日ごろからシステムの運用や管理に従事している人は,このWindows Server 2003トラックでMCPにチャレンジしやすくなったといえる。なお,終了する試験科目もあるため,最新情報は必ず公式Webサイトでご確認いただきたい。

 問題数,合格基準,過去問題など試験科目に関する諸情報の多くは非公開だ。サンプル問題なども公開されていない。設問は50問程度で1000点満点。合格ラインは650~750点前後になっているようだ。実際には問題ごとに合格点が定められており,問題が始まるときに,問題数や合格点などが表示されるようになっている。試験時間はだいたい,1時間半から2時間になることが多いようだ。合否は試験終了後,得点グラフとともに即座に表示される。試験終了後すぐに合否が発表されるのはかなりドキドキものだ。