マイクロソフトは国内でのWindows 2000の出荷日を2000年2月18日と発表したのに続き,価格を明らかにした。同社は製品の正式発表時(出荷の1カ月前程度)に価格を公表するのが常だが,Windows 2000については早めに情報を流した。その狙いは,「システムの新規導入や移行を考えているユーザーが,より具体的にWindows 2000を検討できるようにするため」(システム製品統括部サーバーOSグループの北川裕康マネジャー)。

Serverの値段は「まあこんなところ」

図1●Windows 2000サーバー製品の価格体系
サーバー製品として,下位から順に「Server 」「Advanced Server」「Datacenter Server」の3つがある。NTからのバージョンアップグレードのほか,他社OSからの乗り換えアップグレードのパスを用意した。すべてのアップグレードでCALのアップグレードが必要になる。Datacenter Serverの価格は未定。

 サーバー製品は処理の規模によって3種類がある(図1[拡大表示])。これらは,基本的な機能は同じだが,対応するCPU数やメモリー容量,クラスタリング機能などに違いがある。なお,以下の価格情報はマイクロソフトによる推定小売価格である。

 NT Server 4.0後継のWindows 2000 Serverは,新規購入が18万円,NT Server 3.51/4.0からのバージョンアップグレードが6万5100円だ。サーバーを利用するためのCAL*は,いずれも5CAL添付されている。NT Server 4.0は発表時,16万5000円だったから,1万5000円高くなった。Windows 2000 Serverは,Active Directoryなど強化点がわかりやすいこともあって,「価格はまあこんなところだろう」(不動産ユーザー)といった見方が多い。

 ただし,サーバーをWindows 2000にアップグレードする場合,CALのアップグレードも必要になるので注意したい。たとえば,5CAL分をアップグレードするには1万300円かかる。

 Windows 2000 Serverは,10CAL付き(20万9000円)と25CAL付き(30万2000円)をパッケージに追加した。NT Server 4.0では5CAL付きしかパッケージがなく,クライアントを追加するには,別途MLP*を購入しなければならなかった。

割安な開発者版を日本では提供

 Windows 2000 Advanced ServerはNT Server 4.0,Enterprise Editionの後継OSであり,8CPUまでに対応するほか,フェイルオーバーや負荷分散といったクラスタリング機能を備える。出荷は3月3日。価格は25CAL付きで71万9000円。Enterprise Editionは発表時に69万6000円だったから,その差は2万3000円だ。Enterprise EditionからAdvanced Serverへのバージョンアップグレードは25万8000円である。マイクロソフトは,「NTではEnterprise Editionの販売比率が10%程度だが,Windows 2000ではAdvanced Serverの比率を20%以上に高めたい」(北川氏)考えだ。だが,その割りに戦略的な価格設定ではない。

 Windows 2000 Serverと同Advanced Serverでは,競合OSからの乗り換えアップグレードのパスも用意した。それぞれ8万8300円(5CAL付き)と64万5300円(25CAL)である。対象OSは,NetWare,Solaris,HP-UX,AIXなど。Linuxは含まれていない。

 最上位のWindows 2000 Datacenter Serverの出荷は2月18日から120日後になる。現時点では価格も未定だ。

 3種類の製品のほかに,日本では「Windows 2000 Developer」と呼ぶ開発者向けのパッケージを期間限定(2000年2月18日~6月30日)で提供する。Windows 2000 Serverと同Professional,プログラマ向け情報サービスのMSDNの年間サブスクリプションをセットにして9万4800円と,「かなりお買い得になっている」(北川氏)。ただし,あくまで開発やテスト用であり,通常の運用はできない。

95/98からのアップグレードを用意
企業ユーザーの移行を促す

図2●Windows 2000クライアント製品の価格体系
Windows 95/98からのプロダクトアップグレードを用意した。また現状だと,PCメーカーがNT Workstation 4.0プリインストール機について,Professionalへの無償アップグレードを提供している。

 一方,NT Workstation 4.0後継のクライアントOSであるWindows 2000 Professionalは新規が3万8800円,アップグレードが1万6800円という価格になった(図2[拡大表示])。

 戦略的なのは,NT 4.0にはなかったWindows 95/98からのアップグレードを用意した点だ。狙いは企業に大量に入っているWindows 95/98をWindows 2000に移行させること。ただし,2万7400円という価格に対しては,「数が多くなると相当の負担額になる」(電力ユーザー),「Windows 95からWindows 98へのアップグレード価格(1万3800円)並みにすべき」(製造ユーザー)など,もっと安くしてほしいという不満の声が聞かれる。

RC2を大量配布しコンシューマを誘導

 もう1つProfessionalの販促策で特筆すべきは,RC*2からもバージョンアップグレード(1万6800円)が適用される点である。マイクロソフトは主要なコンピュータ/パソコン誌にRC2のCD-ROMを添付して190万本配布(本誌も今号に添付)。さらにパソコン・ショップなどでも渡し,総計200万本を配布する。

 このRC2を入手し,マイクロソフトの専用サイト(http://www.win2000j.com)でユーザー登録をすると,NT Workstation 4.0ユーザー相当の権利が与えられる。Professionalを実際に体験してもらい,主にWindows 95/98を利用するコンシューマを取り込もうというわけだ。もちろん企業ユーザーであっても,この制度を利用できるが,期間限定であることを考えるとあまり現実的ではないだろう。

 コンシューマも含め,クライアントOSはWindows 2000 Professionalに早期に一本化したいというのがMicrosoftの思惑だが,果たしてシナリオ通りに運ぶかは,ユーザーがProfessionalに対してどう評価を下すかにかかっている。

(桔梗原 富夫=kikyouba@nikkeibp.co.jp)