Windows XPを使っていると,アプリケーション・プログラムの起動がまだるっこしく感じることがある。タイトルにあるように「プログラムの起動速度を改善する」というとプロセッサを高速なものに変えるようなマニアックなことを想像されるかもしれない。しかし,PCを扱う上で,一番遅い「デバイス」は人間ではないだろうか。実は,このOSにはプログラムの起動操作が素早くなる機能が各種搭載されている。ハードウエアに手を加える前に,ぜひ一度プログラムの起動操作を速くする方法を試してほしい。システム管理者は,この記事をエンドユーザーに見せることで,仕事の能率改善に役立てられるだろう。(編集部注:ここで紹介する内容は,Windows XPのデスクトップをクラシック・モードにしていると操作できません。デフォルトに戻すには[スタート]ボタンを右クリックして現れたメニューから[プロパティ]を選択し,[タスクバーと[スタート]メニュー]画面の[[スタート]メニュー]タブで,「[スタート]メニュー」をクリックしてチェックを入れてください)
テクニック1 しかし,この領域はWindows XP独自のロジックで「よく使うもの」が自動登録され,ユーザーの期待するプログラムが常に出てくるとは限らない。また,表示されるプログラムの数が一定なので,「毎日は使わないが,よく使うもの」が追い出されることがある。 そこで活用したいのがよく使うプログラムの手動登録機能だ。これは,プログラムのアイコンをユーザーが自分でスタート・メニューに登録する機能である。 スタート・メニューを表示させて,左下側に並ぶプログラムのアイコンをマウスで右クリックしてほしい。すると[[スタート]メニューにアイコンを追加]というメニューが現れるので選択する(図2)。操作の後,すぐスタート・メニューの左上の領域にアイコンが追加される(図3)。この領域のアイコンは,一度登録すればずっと表示されており,勝手に消えたり増えたりすることはない。 [[スタート]メニューにアイコンを追加]というメニューは,デスクトップ上のプログラムのショートカットやスタート・メニューの[すべてのプログラム]のショートカットをマウスで右クリックしても現れる。そちらからスタート・メニューにアイコンを登録してもよいだろう。
テクニック2 頻繁に使用しないプログラムが予期せず自動登録領域に登録されたときは,図4のように自動登録領域でプログラムのアイコンを右クリックし,[この一覧から削除]を実行する。選択したアイコンが自動登録領域から削除され,隠れていた別のアイコンが現れる。 自動登録領域の登録数を増減させることも可能だ。登録数を増やせばより多くの種類のアイコンが出るようになる。登録数を減らせば,手動登録の領域が広がる。設定は簡単である。[スタート]ボタン上でマウスを右クリックし,[プロパティ]を実行してほしい。[[スタート]メニュー]タブを選択し,[カスタマイズ]ボタンをクリックすると図5のように[[スタート]メニューのカスタマイズ]ダイアログボックスが開く。そこで[[スタート]メニューに表示するプログラム数]の値を変更すると自動登録領域に現れるプログラム・アイコンの数を変更できる(デフォルトは「6」)。同時に[小さいアイコン]を選択しておくと図6のようなすっきりしたスタート・メニューになる。
テクニック3 スタート・メニューが図6の状態のとき,キーボードのMキーを押すと,「Microsoft Visual Studio .NET 2003」が選択される(フォーカスが移るという)。その状態でさらにMキーを押すと,「Microsoft Excel」にフォーカスが移る。つまり,Mキーを押すと,Mで始まる項目に順々にジャンプするのだ。Mで始まる項目が1つしかない場合は,そのプログラムが起動する。 この機能を利用すると,Windowsキー,「英字」キー(Windowsキーを押した後に英字キーを押す)というキー操作でプログラムが起動できるようになる。上記のように同じ英字で始まるプログラムのアイコンがスタート・メニューに複数あるときは,アイコンの名前を変更することで起動が容易になる。
手動登録領域や自動登録領域のアイコンは右クリックして[名前の変更]を選択すると表示名を変更できる。例えば,図7のように「Microsoft Visual Studio .NET 2003」を「VS.NET」に変更した場合,スタート・メニューが開いた状態でキーボードのVキーを押すことで,「VS.NET」が起動できるようになる(他にVで始まる項目がないことが条件)。アイコンの名前の変更は,F2キーを押すことでも実現できる。これはエクスプローラのファイル名変更のショートカット・キーと同一である。 Windowsキー関連の便利なショートカット・キーも併せて紹介しよう。いずれもよく使用する動作が高速化できる。
ショートカット・キー=効果 特に,Windowsキー+Dは隠れていたデスクトップを瞬時に表示させられる点で重宝する。デスクトップを表示した後,さらにWindowsキー+Dを押すと元の表示を復元できるので,覚えておくと便利である。
テクニック4 手動登録領域を使わないフォルダ・アクセス操作の高速化は若干の発想転換と設定変更で実現できる。[お気に入り]に通常のフォルダが登録できることを使うのだ。まず設定変更を行う。[スタート]ボタン上で右クリックし,[プロパティ]を選択する。現れた画面で[[スタート]メニュー]タブを選択し,[カスタマイズ]ボタンをクリックすると[[スタート]メニューのカスタマイズ]というタイトルのダイアログボックスが開く。[詳細設定]タブを開き,[[お気に入り]メニュー]にチェックを追加してほしい(図8)。 次に,よくアクセスするフォルダをエクスプローラで開き,メニュー・バーの[お気に入り]の[お気に入りに追加]コマンドを選択する(図9)。[お気に入り]に追加すると図10のように[スタート]メニューからアクセスできるようになる。 インターネット上のWebサイトの[お気に入り]と同じ場所にフォルダのアイコンが現れるのは少し煩わしいだろう。それと区別するために,「ローカルフォルダ」のようなフォルダを[お気に入り]フォルダの中に作成して,フォルダのショートカットをその中に収めるのも一案だ。また,[名前の変更]機能を利用して先頭の1文字を英数字に変更するとよりアクセスしやすくなる。 |
Windows XPのプログラム起動速度を改善する
スタート・メニューのカスタマイズで起動操作を速くしよう
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