(David Chernicoff)

 ワークグループや中小企業向けのストレージに関する最も不可解なことの1つは,ネットワーク構築用のコンポーネントとハードディスクは安いのに,NAS(ネットワーク・アタッチト・ストレージ)の価格は,そういった部品に比べて非常に高いことだ。

 企業の管理者なら,きちんと管理されたリソースとしてNASを制御できる管理ツールが,そのコストの中に含まれていると理解している。しかし,部門や中小企業,特に専任のIT担当者がほとんどいないか,全くいないような組織の顧客から見ると,追加ストレージとしてのネットワーク接続ハードディスクに対する非常に大きな金額だけだ。

USB 2.0や1394でディスクを増設する手もあるが…
 ワークステーションにストレージを追加する作業は,USB 2.0やIEEE 1394接続のハードディスクが一般的になったおかげで非常に簡単になった。両方とも外部装置を実用的に使うのに十分なバンド幅を備えている。Webでちょっと調べたところ,250Gバイトのハードディスクは200ドル以下,USBまたは1394接続用のケースは50ドル以下で入手できる。しかし,これらを組み合わせて,すぐに使えるようにしている製品は,各コンポーネントを別々に買うよりも10%ほど高い価格になっている。

 例えば,私のデスクトップ・コンピュータには,USB 2.0接続の120Gバイトのディスク2台とIEEE 1394接続の250Gバイトのディスク1台をつないでいる。しかし,そのストレージをネットワーク上の他のユーザーに使わせるようにするには,私のコンピュータ上に彼らのアカウントを作った上で,常に起動しておくようにしなければならない。リブートが必要になると,そのストレージに接続しているすべてのユーザーに,ストレージが使えなくなっても影響がないことを確認しなければならない。

小規模ネットワークならNASが便利
 小さなオフィスや部門の環境では,こうした問題に対して,以前ならNAS装置に投資するか,手近にあるサーバーにストレージを追加するかしかなかった。手近なサーバーに追加する方法は非常に安く済むが,1つのバスケットにすべての卵を入れるような技術的な難しさがある。もうちょっと高価なNASを使う方法なら,ストレージ装置に冗長性を持たせ,既存のネットワーク機器に依存しない独立したデバイスを供給できる。

99ドルのNASに,USB 2.0のハードディスクを増設
 小規模ビジネス・ユーザーへストレージ・ソリューションを提供する必要性に対し,米Linksysは廉価なアプローチを開始した。「Network Storage Link」という製品は,推奨小売価格99ドルで,ネットワークに直接接続して全Windowsユーザーからディスクを共有できるようにする。これはUSB 2.0のハードディスクを2台つなげられるケースになっている(現時点ではWindowsのみのソリューション)。この製品を使って250Gバイトのハードディスク2台を追加すると約500ドルだけで済むのに対して,他の大手ベンダーが提供している同様な構成のNASソリューションはおよそ2000ドルかかる。

 完全かつシンプルで高くはないNASソリューションとして,Linksysは米MaxtorのOneTouch USBハードディスクと組み合わせて購入できるようにしている。Maxtorのディスクのバンドル価格が安いことを利用すれば,米Dantz Developmentのバックアップ・ソフトウエア「Retrospect」も入手できる。このソフトウエアを使えば,各クライアント・コンピュータからNetwork Storage Linkに接続されているストレージへ自動的にファイルをバックアップできるようにする。

 Network Storage LinkによるNASのソリューションには,例えば標準でないネットワーク・ソフトウエアを使ったり,2台のハードディスクしか追加できなかったり,Active Directory(AD)と統合できなかったりするなど,いくつかの制限もある。しかし,小規模なネットワークやワークグループ向けに500Gバイト級の共有ストレージを追加するためには,この製品を使う以上に価格が安く使いやすい方法はちょっと見つけられそうにない。