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(Paul Thurrott)

 PC業界全体が,ディスク・ベースのバックアップ&リカバリ・ソリューションに向かっている。MicrosoftはWindows Server 2003を最初に出荷してからこの2年で,驚くべき数のストレージに関する新しい提案を出してきた。素晴らしい世界がくる気配がする。ストレージ分野が,急速に面白くなりつつあるのだ。

ストレージ分野へ意欲的に製品を出すMS
 Microsoftのストレージ分野に対する取り組みは,複雑になりつつある。Windows Server 2003 Service Pack 1(SP1)にあった「Volume Shadow Copy Service(VSS)」や「Distributed File System(DFS)」,ディスク・クォータ――などのストレージ機能に加えて,同社は他にもいくつかのストレージ関連製品やサービスを開発している。具体的には,「Windows Server 2003 Release 2」と「Windows Storage Server 2003」,そしてベータ版を提供中の「System Center Data Protection Manager 2006(DPM 2006)」――などである。これらの製品とサービスが,どんなものであり,どのように相互作用するか。 そして対象とするユーザーのセグメントはどこなのか。

 Windows Server 2003の基本のストレージ・サービスは,小規模のビジネスから大企業までをサポートする。一方,「Windows Small Business Server 2003(SBS 2003)」を使っている小さな会社は,便利な管理ツールを利用できる。だが,そのスイート製品は実質的にはWindows Server 2003となんら変わるものではない。

 Windows Server 2003とSBS 2003には,いくつか本質的に重要なストレージ技術が欠けている。だが,Microsoftはまもなく,それをWindows Storage Server 2003とDPM 2006によって提供する計画だ。

 Windows Storage Serverは,Windows Server 2003におけるストレージ・ソリューションの機能をアプライアンスしたファイル&プリント・サーバーである。ストレージ・サーバーというものは,サイズにかかわらず,既存のインフラへ簡単にプラグインできるという基本的な考え方に基づいている。

ディスク・ベース・バックアップを推進
 Microsoftの最新のストレージ技術であるDPMは,最近パブリック・ベータが提供された(既報)。私はDPMのテクニカル・プロダクト・マネージャであるChristopher Whyte氏と,Windows Serverのテクニカル・プロダクト・マネージャであるWard Ralston氏に話を聞いた。

 なぜMicrosoftがこの技術をOSへ直接搭載しないのかを私は知りたかった。話を聞くことで,私が以前考えていたよりもこの技術には,はるかにたくさんの進行中のプロジェクトを抱えていることが分かった。おかげで,その製品について私が抱えていた不安は軽減された。

 それでも,DPMの緊急リリースはいくつかの疑問を残す。Windows Server 2003に標準で付属するバックアップ・ツール(通称NTBackup)は,なぜ機能が不十分なのか。DPMのサブセットだけでもWindows Server製品に組み込めばいいと思う。

 DPMの特徴は,ハードディスクを利用するバックアップ/リストア・ソリューションだということだ。今日,エンタープライズ・クラスのバックアップ・ソリューションの多くはテープ・ベースである。テープ・バックアップは,はっきりと分かる一連の問題を抱えている。第1は,悪名高いほど遅く,信頼性が低い。第2に,それらはデータを復旧するために管理者を必要とする。しかし,テープ・バックアップの最大の問題は,作業時間の長さと難しさから,実際にバックアップが作成される機会が少ないことだと私は考えている。

管理者ではなくユーザーがリストアする
 明らかにディスク・ベースのバックアップは,こうした問題のほとんどを解決できるはずである。これを実現するDPMは,現実にもっと頻繁に信頼性の高いバックアップが取れるはずだ。しかし通常,組織ではテープ・システムを置き換えるために,DPMを導入することはない。その代わりにDPMは,よくあなたのユーザーのデータとテープ・システムの集約を果たせる。DPMによるバックアップは,より頻繁に起動できるので,ユーザーは災厄に襲われたら,より最新に近いデータをリストアできる。長期間保管されるものは,適切なタイミングでテープへ書き込んでおく。

 「われわれはユーザーが厄介と感じることを,DPMでカバーしようとしている。現在のバックアップ作業は,時間がかかりすぎる上に,複雑すぎる。DPMは,バックアップをしない期間をなくし,かつフルバックアップの必要性をなくす。あなたがデータを作ると,DPMがそれを定期的にバックアップする」とWhyte氏は語った。

 同社の「Windows SharePoint Services(WSS)」は,共同作業するグループの間で,仮想的な臨時の作業場をユーザー主体で実現してくれる。同じくDPMは,データのリカバリをユーザー主体で実現することで,さらに一歩進化した処理をする。WSSの場合と同じく,管理者が不要で時間とコストの節約になる。

 DPMが,Microsoft製品のユーザーに,どんな影響を与えるかを論じるのはまだちょっと早いかもしれない。私の推測では,最初のバージョンは小規模システム向けではなく,中規模から大規模のシステムに的を絞っているだろう。Whyte氏とRalston氏は,最終的な要件はまだ確定していないが,DPMはきっと5~100台程度のサーバーを抱える環境をターゲットにすると言った。このバージョンは,SQL ServerやExchange Server,WSSには対応しない。ただし,将来のバージョンでは,その可能性がある。ちなみに,最初のバージョンは32ビット版だけである。