パフォーマンスは想定以上

図4●Web化するに当たり4つの手法を検討
開発を担当した日本システム技術は当初,ビジネス・ロジックをJavaで再構築する方法を提案したが,コストが見合わず却下された。他の手法を模索した結果,米国で実績のあるPCMLが浮上。実験環境で目標とする処理速度が実現できたため採用に踏み切った。写真は,システムを構築した日本システム技術の野崎康之氏(左)と豊吉雅昭氏(右)

 JTOpen/PCMLを利用してAS/400をWeb化する手法は,米国では実績があるが国内では例を見ない。システムのWeb化を手掛けた日本システム技術の野崎康之氏(第五ソリューション事業部 開発二課 BISチームマネージャー)は,「日本IBMの担当者にも問い合わせてみたが,“把握できている範囲でPCMLを採用した例は皆無”とのこと。恐らく国内初の事例ではなかろうか」と語る。

 国内で実績のないPCMLの採用一本に絞り込むのはリスクが伴う。日本システム技術は当初,画面とビジネス・ロジックをJavaで再構築し,JDBCを介してAS/400上のデータベースにアクセスする方法を提案した(図4[拡大表示]の案1)。国内で多くの実績があり,ノウハウを蓄積済みのためだ。

 しかしこの案では,予定していた予算を見積もり段階で大幅にオーバーしてしまった。さらに開発期間もボトルネックになったという。「開発の相談を受けたのが2001年秋。2003年のシーズン開幕までに稼働できるよう依頼されたが,テスト期間なども考慮すると間に合わない可能性があった」(日本システム技術 第五ソリューション事業部 開発二課 豊吉雅昭氏)。

 そのほか,CGIを利用して画面生成プログラムを再構築する案(図4の案2)や,AS/400上でWebSphereを稼働させる案(図4の案3)も浮上したが,開発生産性や保守性,処理速度が足かせとなり採用するには至らなかった。最後の望みがPCMLである。

 ビジネス・ロジックを再構築せずに済むPCMLの採用に傾いたものの,野崎氏は「本当に動くのか,パフォーマンスは大丈夫だろうかと,不安だった」と打ち明ける。そこで,テスト環境を構築し,案1と案4でパフォーマンス比較を実施したところ,「PCMLによる処理速度はJDBCと遜色なく,むしろPCMLの方が速いくらいだった」(野崎氏)。パフォーマンスの懸念が晴れたことで,PCMLの採用に踏み切った。RPG上のインタフェースの実装作業は,「検索メニュー1本につき,テストを含め約3日。4人で分担して約220本を実装した」(同氏)。

(菅井 光浩=sugai@nikkeibp.co.jp)