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根強い支持を得るオープン系COBOLも,99年度は西暦2000年問題(Y2K)対応の影響は避けられなかった。新規プロジェクトが先送りされたため。回復の兆しはあるものの,2000年度中の大幅増は難しそうだ。

 オープン環境で動作するアプリケーションをCOBOLで開発するためのオープン系COBOLは,既存資産の移植や,基幹系アプリケーションの新規開発用途での需要が底堅い。COBOL技術者の層の厚さや,EC(電子商取引)関連システムでもバックエンドで動く基幹系システム開発ではCOBOLのほうが開発・保守効率は高いという評価,があるからだ。

図1●主なオープン系COBOL開発環境の出荷本数

 しかし,99年度にオープン系COBOLの開発環境の市場は,国内で製品を販売している主要ベンダー5社の合計で,前年度比12.5%増の5万3100本(本誌推定。以下本誌推定値には*を付ける),金額は同4.2%増の55億2000万円*を出荷するにとどまった。当初は前年度比28.8%増の6万800本*,金額は同16.0%増の61億5000万円*を見込んでいただけに,予想を1割強下回ったことになる。

尾を引くY2Kの影響

 その最大の理由はY2K対応。「上半期は前年度並みの伸びを見せていたが,下半期に入ってから急激に落ち込んだ」と,各社担当者は口をそろえる。新規プロジェクトだけでなく「リース切れに伴う通常のシステム移行案件もストップした」(NECソリューションズの八木文治ソフトウェア開発技術事業部第二技術部エンジニアリングマネージャー)ことが響いた。

 98年度には逆に,Y2K対応をにらんだ基幹システムの全面見直しが進展し,本数で前年度比5割弱,金額でも3割弱伸びた。99年度も各社が同様の成長が続くと期待したことも,市場を読み誤った理由の一つ。ただし,英メラントの日本法人だけは「Y2Kの影響はほとんどなかった」(田島裕史代表取締役)としている。

 2000年度に入っても,Y2Kの影響はすぐには収束していない。早くても「5月の連休明け以降」(富士通の内田正章ソフトウェア事業本部ミドルウェア事業部長代理),遅いと「7月に入ってから」(NECの八木マネージャー)ようやく回復基調に入った。

 Y2K後の新規プロジェクトの特徴は,Web対応が避けられなくなったこと。そのため各社は,COBOLプログラムとJavaプログラムが連携できることや,大規模案件には不可欠なUNIXサーバー環境へ対応を強化することで,売り込みを強化する考え。5社合計で,前年度比15.4%増の6万1300本*,金額は同17.6%増の64億9000万円*の出荷を見込んでいる。

(志度 昌宏)