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PDA(携帯情報端末)市場が活気づいている。99年度の国内出荷台数は90万台だったが,2000年度は126万台になる見込み。システム・プロバイダが企業システムを構築する際のモバイル端末としてPDAを選択するケースも増えている。

 99年度のPDAの国内市場は,主要メーカー10社の出荷実績の合計で約90万4000台(本誌推定,以下同),金額で約433億円にとどまった。しかし2000年度は台数で前年度比41%増の126万4000台,金額では同48%増の約642億円の出荷が見込まれている。

図1●PDAの出荷台数

 同時に,これまでシャープが圧倒的な強みを見せていた国内のPDA市場が,2000年度は激変する。Palm OSを搭載したPDAが次々と登場したほか,マイクロソフトが7月に新しいWindows CE端末,PocketPCを発表したことが起爆剤となり,市場全体がものすごい勢いで広がるからだ。

 Palm OS搭載機は,99年度まで日本アイ・ビー・エムのWorkPadしかなかった。それが2000年に入って,4月にパーム コンピューティングがPalmを,6月にはハンドスプリングがVisorの出荷を開始。9月に入るとソニーがクリエを販売し,アスクとエム・デイ・エスがTRGpro(開発は米TRGプロダクツ)を売り出した。

 一方,PocketPCを販売しているのが日本ヒューレット・パッカード(HP)とカシオ計算機。PocketPCはWindowsアプリケーションとの連携を強化したもの。特に市場拡大のカギを握るのは,個人向けでなく企業向けだ。iモードなどインターネット対応の携帯電話と並び,企業ユーザーがモバイル端末としてPDAを採用し始めている。

 これまでは企業向けといっても,量販店で個人が購入し,自分のスケジュール管理などに使うケースがほとんどだった。それが最近は,グループウエアやSFA(セールス・フォース・オートメーション)など企業システムとPDAを連携させるモバイル関連のシステム商談が数多く発生しており,新しい需要を喚起している。

 メーカー別の出荷台数を見ると,まだザウルスが圧倒的に多い。しかしOS別に2000年度の出荷見込みを算出すると,Windows CEが42万台,Palm OSが36万台となり,次第にザウルスの50万台と拮抗する勢力に成長しつつある。

 長く続いたザウルスの一強時代が終わり,PDA市場はザウルス,Windows CE,Palm OSの三つ巴の様相を呈し始めた。各製品を見ると機能的な大差はないだけに,今後の販売戦略が大きなポイントになりそうだ。  (尾崎 憲和)