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 USENはテレビにセットトップボックスをつないで視聴する動画サービス「ギャオネクスト」を2007年6月1日に開始した。予約受付は、4月25日から実施している。サービス開始からは1カ月が経過。現在、コンテンツ数は約1万2000で、そのうち約1万はカラオケコンテンツ。今後は、動画を中心にコンテンツを増やし、9月にはコンテンツ数を約1万5000にするという。現在の感触と今後の戦略をUSENのパーソナル事業本部GyaO NEXT戦略室室長堤天心氏に聞いた。

■サービス開始1カ月時点のユーザー数、ユーザー層を教えてほしい

 ユーザー数は6月中旬で1万人を超えている状態だ。1万人を超えるユーザーから申し込みがあったのは、十分すぎる結果と言える。ユーザー層は20~30代の単身者からの申し込みが多い。女性の比率がパソコン版GyaOと比べて2~3割多く、男女比は6対4。女性層は「(パソコン版の)GyaOを見ているから」ということで流れてきたユーザーは少ない。レンタルビデオ店でビデオやDVDをレンタルするような層が興味を持っていると考えている。

 加入してもらっているのは、現在すでにUSENの回線を利用しているユーザー、もしくは回線と同時に新規で申し込むユーザーだ。ダイレクトメール、電話勧誘、ポスティング、すでに回線が入っているマンションへの訪問営業、ショッピングセンターでのブース展開などかなり販促を行っている。地道だが、こういった営業努力が最終的に結果に結びつくことを我々は経験から分かっている。

■パソコン版GyaOとのすみ分けは

 まず、パソコン版GyaOとユーザー層が食い合うことはないと考えている。ギャオネクストはアーカイブであるのに対し、GyaOは10日~2週間でコンテンツを更新している。そのため、作品群が両サービスで重なることはあまりないので、作品群のラインアップが違う。さらに、価格的に無料か有料かという部分での差も大きい。

 視聴形態を見ても、GyaOの視聴者は、8~9割のユーザーが1人で見ている。ギャオネクストの場合は複数ユーザーで視聴することもあるだろう。ギャオネクストが浸透すれば、リビングではギャオネクスト、自室ではGyaOというすみ分けがはっきりするだろう。

■GyaOは、2006年11月に単月黒字を達成したものの、2007年2月中間期の営業利益は前期比で減少した。無料動画配信だけでは厳しいのか

 ある種の難しさがあるとは感じている。一つ大きいのは広告の市場形成という部分。現時点ではインターネット上の広告に対してその効果を評価する業界標準がない。指標のスタンダードがないので、広告を売る側としても興味を持っている人に対してもう一押しができない。

 投資を縮小すれば利益が出ることは分かっている。ただ、まだ今はそれをやる時期ではない。長期的な収益を考えると、コンテンツ投資に関してはまだまだアクセルを踏むべきだと考えている。短期的な黒字を出すのでは意味がない。目標は2008年度の通期での黒字化だ。

■オンデマンドTVや4th Mediaなどに比べると後発になる

 我々は今がベストのタイミングだと思っている。今から半年前でも、半年後でも何かを逸してしまう。光回線やIP電話の普及率はある程度まで高まり、一段落している。今なら販売代理店にとって力を入れて売りやすい1つの新しい商材となる。さらに、キャリア、家電メーカー、コンテンツホルダー、いずれも映像系サービスに力を入れているのは明らか。来年以降に映像系サービスが本格的に立ち上がってくることを考えると、今このタイミングでサービスを開始するのがベストだった。来年以降に映像系サービスが立ち上がったときに実績をそれなりに積んだ状態でいたいと考えた。

■家電メーカーが行っている「アクトビラ」をどう見るか

 慎重にリサーチしないといけない存在だと考えている。一方で、配信インフラやDRM(Digital Rights Management)、決済の面など、IP動画配信をする上で必要な部分を(アクトビラを手がける)テレビポータルサービスがそろえられるかはまだ見えない。

 ただ、われわれは(セットトップボックスなどの)端末ありきとは考えていない。テレビ自体にIP動画配信ができる機能が備わればそれはそれでよいと思っている。そういった意味では、例えば、コンテンツやインフラ提供をテレビポータルサービスと一緒に行えるのならウェルカムだし、是が非でもやりたいくらいだ。