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 「東京ウォーカー」などの情報誌や「ウォーカープラス」などの情報サイトを手がける角川クロスメディアは、2006年12月に社内SNSを本格導入した。雑誌を手がける角川クロスメディアに「ウォーカープラス」を運営していたグループ会社のWeb部隊を吸収合併した際に実施した。現在は250人の全社員が参加している。アクティブユーザー数は1週間で5割。社内SNS導入の目的や現状を担当者に聞いた。(※両氏の発言を編集部がまとめた)

■社内SNSの導入を考えた理由は

 2006年4月に角川書店から「東京ウォーカー」など紙媒体を手がける部隊が切り離され、角川クロスメディアとして誕生し、その2カ月後に「ウォーカープラス」を手がけるWeb部隊と角川書店北海道を吸収合併した。合併したことによって人員の流れが発生したため、コミュニケーションプラットフォームの導入を検討し始めた。

 雑誌は「東京ウォーカー」以外に、「九州ウォーカー」「北海道ウォーカー」など各地方に「ウォーカー」雑誌がある。当然、それらの編集部はオフィスもバラバラだ。ある地域で有効だった誌面の作り方や、取り上げた商品などがほかの地域でも有効な場合が多々あるので、そういったことを横通しで共有したいと考えた。

 さらに、雑誌を担当する紙部隊とWeb部隊の文化の違いもある。例えば、雑誌は基本的に売り切り。発刊すれば終わる。一方、Webは、作り上げたあともアフターケアやアップデートに手間がかかる。そういった小さなことから大きなことまで、文化が違う2つの部隊が肩肘張らずに、アイディアを活発に交換できる場を作りたかった。

 旧ウォーカープラス社長からコミュニティ機能がほしいという要望があった。楽な気持ちでやってもらえることで、そこで何が出てくるかを見てみたいということだった。コミュニティは、ブログなどほかのツールにはないSNSの強み。2006年10月後半からIT開発部で試験運用を開始、約1カ月で正式導入に踏み切った。

■角川クロスメディアにとっての社内SNSとは

 あえて言えば「目安箱」みたいなものか。より多くの人に何かを伝えられる。ただ、それは直接的に訴えるわけではなく、自分のコミュニティや日記に投稿として投げればよい。自分の「想い」が誰かに伝わると思えることは、精神的な部分でモチベーションを上げてくれると思っている。そういったことは、売り上げなど直接的な成果に結びつくことはないが、会社の価値という意味では間違いなく向上する。

 社内会議で思いつきや突拍子もないアイデアを提案することはなかなか難しい。物理的に参加できない難しさもあるし、そういう雰囲気でないという難しさもある。会議は、限られた時間の中で、売り上げ報告、事務連絡など皆に周知したいこと、すでに固まっていることを討議する場。オフィシャルでない、固まっていないものを討議できるのがSNSの良いところだ。

■今後はSNSをどのように拡張していくのか

 まず、蓄積される情報の検索性を上げたい。検索したいときに限って明確なキーワードが出てこない。「あの人が、あれくらいの時期に言っていたこんなこと」というイメージで人は検索する。そういった意味で、自然文検索ができるようにもしていきたい。

 リコメンドエンジンも組み込めればいいと思っている。その人がどんな情報を検索したり、見たりしているかのログを取り、情報や他人の日記をリコメンドできるような機能だ。社員はWebサイト「ウォーカープラス」のIDも持っている。ウォーカープラス内でどういった情報を見ているかなども、リコメンドする際の要素になりうる。

 将来的には社内SNSは社員にとっての仕事のアシスタントやコンシェルジュになりうると考えている。